村上春樹が、「街とその不確かな壁」を出版しましたが、この作品は、「文藝界」に掲載され、不出来なのか、単行本にも、全集にも入らなかった「街と、その不確かな壁」の発展系。その発展型(?)だったのが「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」。「羊をめぐる冒険」、「ノルウェイの森」と並んで著者の絶頂を為しています。

「羊をめぐる冒険」は、「ダンス・ダンス・ダンス」、「海辺のカフカ」

「ノルウェイの森」は、「国境の南 太陽の西」、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」に分かれていったように見える。


村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」は「愛と幻想のファシズム」に、「トパーズ」が、「エクスタシー」「タナトス」「メランコリア」になっていくような。

大江健三郎となれば、「万延のフットボール」が、「同時代ゲーム」では極端に抽象化され、「懐かしものへの手紙」で総括されたかのように見え、「M/Tと森の不思議な物語」で、語りを変えと、発展(派生?)していく。


自身のピークは、自分自身でも理解し難い高みに行ってしまう、と言う事か。


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