江戸川乱歩と言う巨人がいる。
日本の推理小説の実質的な祖。
自身は、自分のアイデンティティ、日本推理小説のアイデンティティを、怪談、黒岩涙香の翻訳、谷崎潤一郎佐藤春夫の探偵小説的な物としている。
そして、江戸川乱歩。2銭銅貨、でデビュー。人間椅子、パノラマ島奇譚、陰獣、盲獣、孤島の鬼、芋虫、虫、柘榴etc.
更に、盟友横溝正史、真珠郎、本陣殺人事件、獄門島、犬神家の一族、八つ墓村、悪魔が来りて笛を吹く、悪魔の手毬唄etc.
松本清張が、乱歩正史路線、とは違う動機や、身近なありそうな犯罪を、リアリティがある?社会派推理小説を生み出す。乱歩正史路線を過去とした
に見えた。
70年代後半から、島田荘司の「占星術殺人事件」、綾辻行人の「十角館の殺人」により新本格派が起こる。
乱歩と言う巨人の影は、赤川次郎のユーモアミステリー、出版される小説の大部分、売れた小説の殆どがミステリーになり、やっと拭えたのか。
乱歩正史路線の否定は、物語を陳腐化していった。社会派推理小説の、リアリティがある、そして単なる事件性と、スキャンダルを描くスタイルは、ショッキングなだけになり、読者を失った。
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