セバスチャン・フィツェックの「治療島」を読む。(赤根洋子訳)

雰囲気がいかにもで、あまりに過度な書き込みが無く、記述が簡単明瞭。しかも推理小説(サイコサスペンス)なので。ラスト近くにカタストロフが待っているはずだと踏める心地良い読書。ミステリーを読み込むと江戸川乱歩の「続・幻影城」ではありませんが、トリック(落ち?)のパターンがあるので、ネタバレ、犯人割れが起こる、最近の物は流石に、犯人が分かっても、なぜ殺人をしなければならなかったのか、と言う動機が最後まで、ストーリーを引っ張る。ヴィクトル・ラーレンツと言うのが主人公で、高名で裕福な精神科医と言う紹介が扉にあり、登場人物の名前の確認の為に何度となくそこを見ていたのに、犯人が分からず、ラストに驚いた。ミッキー・ローク主演の、レオナルド・ディカプリオ主演の、松田洋治主演のあれか、と頭をかすめた時にはほとんど残りページがなく、、、、。

ドイツのミステリーは記憶が確かならば、初めてで、ドイツ文学ならばある程度読み込んでいるので、トーマス・マンやらヘルマン・ヘッセやらを想像していましたが、全く違っていて、カナダとかオーストラリアのようなイギリスとアメリカでは無い英語圏の作家のように感じましたね。流石に登場人物の名前はドイツ語圏の名前でしたが。



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