リアルに
対しての
バーチャル

と言う対比は出来なくはない。
けれども、
敢えて
けれども
と言う。

やはり本人にとってはリアル(真実)だ、と言う決着の仕方しかない事柄は存在する。

拘り、
偏り、
癖と言うライトな言い回し。
グサリと来る言い方ならば、
カルマ、
宿命、
トラウマ。

見方を変えると言う言い方がチンケに聞こえるような厳しい体験は
人、
本人しか分からないなにかを含んでいる。

深刻な体験は教訓を引き出され、
人生の素材になることを拒む性質があるのかなかなか記憶の深淵から出てきて干上がってはくれない。
意味付けをしようにもそれに伴い感情が記憶を捏造する。
記憶を捏造していることには薄々気付いてしまっているので体験は宙ぶらりんになる。

リアルじゃない!

でも、
リアルに感じてしまう。

人は自分の都合によく記憶するもんだぜ、と
うそぶく図々しさもない。
ウブな自分。

淡い自己認識に拘っていたいだけ。

自分を
無垢にしていたい。
それだけなのかもしれない。
本当のことは
『誰にも』
分からない。

もしかすると
『時間』
と言う名の絶対者がおぼろげながらいつか真実を語りかけてくれるかもしれない。

『沈黙』
と言う名の語りかけをしてくるのを待つことにする。