僕は中2で
『怪人四十面相』と出会ってから毎日乱歩にうなされていた時期があった。
世の中は乱歩の
『ら』の字もなかったのに(らの字くらいはあったかもしれないけど)
僕だけブームであった。
いわゆるマイブームだ。
まあよく読みました。ポプラ社刊の子供向けのシリーズはバイブルだった。
好きだった。
面白かった。

時は流れて、10年前くらいまた乱歩の大ブームが来た。もちろんマイブーム。その時は小説ではなく評論。
『続・幻影城』を何度となく読みました。トリックを扱う章は紙面から
情熱が止まらない
(by関暁夫)
今では考えられないことですが、江戸川乱歩は創生期の推理小説(その当時は探偵小説)をなんとか市民権を得ようと文字通り奔走しています。作品にも問題があるのですが当時は探偵小説自体がキワ物と捉えられていたようです。そこで氏は西洋の古典にあらわれた推理小説の原型や日本の谷崎潤一郎・佐藤春夫が推理小説を書いている、興味を持っている、と熱く説いています。世界的にも珍しい犯罪のトリック類別をしています。
権威と繋がりたがったり、
読んだ物語の類別をしたり、
とやれることはすべてしているようです。
そして本格探偵小説の定義も考えています。
(しかしそれを実現できたのは本人ではなく
横溝正史の
『本陣殺人事件』
が初めてです)

新しいジャンルを定着させるとは?

と言う問い掛けをした時のヒントが詰まっているようです。

自身が作品を出す
人気が出る
今までのジャンルとの繋がりを強調し、ジャンルの正当性を認知させる
他の人の作品を紹介する
翻訳を出す
後進を育てる
子供向けの作品を出す