やってしまった。
万年筆が机からコロコロ転がって床に落下。
大事に使っていた、モンブランジェネレーションMontBlanc GENERATION。
ついうとうとして落としてしまった。
拾い上げて、ペン先を見ると、無事だったようで、ちゃんと書ける。
でも、よく見ると、先端が右に傾いていた。
「あ、あ~。ごれは修理だな~」
実は、モンブランの修理は、ドイツまで持っていくそうで、修理費用もexpensive。
どこかないかと、百貨店のペンクリニック催事をあたろうとしたら、全てでモンブランは対象外。
どこか、修理してくれそうなところをネットで探すと、銀座のユーロボックスさんが受けつけてくれそう。
仕事の帰りにお店に寄ってみた。
お店には、アンティークや修理中の万年筆がずらり。見てるだけでも楽しい。
店主は、この世界のベテランのようで、ゴルゴ13の銃職人のデイブ・マッカートニーに似ている。
ちょうど、前のお客さんの修理をしているところ。長期間未使用のモンブランの修理だった。
「メーカーだと部品交換だけど、ウチなら直せると思うけど、100%じゃないよ。どうします?」
と、長年の経験から、リスクも伝える。とてもプロな感じ。つい期待してしまう。
修理は、手際だけでなく、自家製の治具など、こちらもつい見とれてしまう。
私の万年筆も、
「これもメーカーだと部品交換だね。ウチなら90%ぐらいの確率で直せるかな。先端のイリジウムが欠けてしまうことがあるからね。どうする?やるなら、修理費は4000円かな」
モンブランにもっていけば、見積もりだけでも費用がかかる。部品交換なら数万円はかかるので、修理を依頼。
その場で分解。インクが染みた指先で、曲がりを元に戻し、隙間を職人技で丁寧に磨き調整していく。修理される万年筆は幸せだと感じてしまう。
「どう?」
修理されたペン先を見せられ、曲がっていたことなど全く分からない仕上がりにびっくり。
「実は、少し(曲がりが)残っているんだよ」
と言われても、全く分からなかった。
そして、試し書きをしてみると、今までの書き味と全く違ってなめらかになっていた。
紙の上に液体が乗っていくように、ペン先の滑りに抵抗感がない感じ。
まさに、「血液が流れるよう」とはこのことかと思い、
「これが、このペンの本当の書き味ですか?」
と聞くと、
「万年筆は、調整すると変わるし、特に、最初に調整すると、すごく書きやすくなるんだよ」
と店主。
新品から下した状態が、一番良い状態かと思っていたけど、新品の中には角が立っていたりするのもあるそうで、そういう調整も最初にしておくと、初めからその万年筆本来の書き味が得られるよう。
おかげで、曲がりも直って、書き味も良くなって、修理に出して良かったと思いました。
こういった手間をかけられるのも万年筆ならでは。
愛着も沸きますね。
ユーロボックス


