ブルー☆の窓

ブルー☆の窓

* 夢とうつつのあわいをさまようストーリーをおもに “円形広場” “幻” “断片” などで

*物語の登場人物は、すべて〈架空の存在〉です

☆ ご訪問ありがとうございます。

☆ 架空の物語 「円形広場」 「断片」 「~幻」 などをメインに更新しています。
 ( 「円形広場 」 は、最終章の直前で、事情によりストップしています。 )


☆ 現実の話題は、テーマ〈ブロブ〉、〈記憶〉に。

✩ コメント欄、ときおりオープンしております。

✩ 諸事情により、記事の更新は不定期です。 

✩ ブログタイトルとHN、短くしました。(旧タイトル&HN「ブルカニロの窓」)      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 


 





数世紀もの間、人が足を踏み入れたことのない深い森の奥、
湖の澄みきった蒼い水面の下に、美しい魚たちが泳いでいた。
天藍色の魚と、紺瑠璃色の魚が、たった二匹、ゆらゆらと数百年。


魚たちが遠い昔、人の子供のかたちでいたとき、

一方は水色の髪、もう一方は群青色の髪。
水色髪は、非友好的で寡黙。

群青髪は、ひかえめな性格から無口。
圧制と野蛮が支配する惑星で、子供たちは反抗心を燻らせ続けた。
大人になるまで生き延びるのは困難な世界だった。


幻のように遠い記憶。
気づいたときには、ふたりは蒼い湖の底にいた。

泳ぐのは、淡々と平和で、静かな愉しさの持続だった。
足で歩いた頃の不自由さは、とうに忘れてしまった。



ある日、天藍色の魚が、

そろそろ、ここを出ようと思う 

と、言った。

もう、十分すぎるほど泳いだ 


紺瑠璃色の魚が、

出るって、どこへ行くの? 

と返すと、
天藍色の魚は、答えた。

空 

泳ぐのと飛ぶのは、似ていると思う

天藍色の魚は言う。

次は、鳥 


鳥に? 




そのときが訪れると、天藍色の魚は、水面を跳び出し、白昼の天空へと羽ばたいた。
“ Celeste Blue ” の小鳥に姿を変えて。



紺瑠璃色の魚は、小鳥の翼の薄蒼のまたたきが、蒼穹にとけて見えなくなるまで

目で追いかけた。

天藍色の小鳥は、視界から消え去った。
それでも空のどこかを、たしかに飛んでいるのだった。


紺瑠璃色の魚は、自分の飛び立つはずのときを、待った。


やがて、陽が沈み、空の色が瑠璃よりも濃い蒼に変わる頃、
紺瑠璃色の魚は、空へ向かい、全力で跳んだ。
星が輝きはじめた空へ。


紺瑠璃色の小鳥が、夜空へ吸い込まれていった。
小さなまたたきは、 “ Sapphire Blue ”  の小鳥の翼の羽ばたき。


新しい栖の夜空で、小鳥は、紺瑠璃色に同化し、いつしか見えなくなった。





昼の空には、天藍色の小鳥が、
夜の空には、紺瑠璃色の小鳥が飛んでいる。




いつか、空の昼と夜のあわいに、二羽の小鳥は、
あいまみえるだろうか。




 

 

 

 

 

 


 

 







 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

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*架空の物語の断片です。

   登場人物も架空の存在です。

*最初は2015年に、こちらのブログに投稿しました。

 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
 

 

 










     わたしはひとつの白い花の呼吸 

     見えない風と 
     遠い水の記憶をたどります 

     そして
     ひとりではないことを
     知っています 

     根は闇に包まれ 
     葉は光を吸い
     名もなき粒子の往復と 
     手を取りあう 

     やがて訪れる初夏へ 
     まだ見ぬ熱と緑の重なりへ

     そっと期待を宿しながら 
     ただ静かに
     世界とともに在り 

     そして 
     ひとしずくの光として
     またいずこかへ 
     渡っていくのです




















    " 不可視の祝祭 " 



     まだ光にならぬ光が
     土の奥でさざめく 

     冬の眠りの底で目覚め 
     根のあいだをすり抜け 
     水脈のように
     静かな歓びを運んでくる精霊たち

     大気は 幻の羽音で満ちてゆく 
     芽吹きのひとつひとつに 
     小さな気配が宿り 

     草の影の下では 
     淡い妖精たちが手を取り合い
     輪を描いている 

     それは 春の祝祭 

     花はまだ開ききらず
     風もまだ歌わぬうちに
     世界の深みで
     大きく息がつかれる 

     その余韻が 
     色となり 匂いとなり 
     光の粒となって
     地上へと溢れてくる

     野に立ち 
     不可視の輪舞の中心に
     静かに包まれる

     大地の祈りが 
     光へ変わる時