今朝、道を歩いている先に
小さな子供と側でしゃがみこみ子供に
目線を合わせる母親と思われる人がいた。
小さな子供はまだ歩くのもたどたどしそうな、
紙オムツがお邪魔ですこしガニ股気味な、
その不便さを「可愛い」と感じるぐらいの子供だった。
何をしているんだろうと思いながら
どんどん近づいていき、
追い越し様に失礼ながらチラっとみた。
小さな子供はほっぺを丸くして、
口を尖らして、目を一点に集中していた。
その目線の先に、母親の手があった。
さらにその手の中に小さな植物が。
その植物はタンポポではないように見えたが(一瞬なので見間違えている?)、
小さな子供と母親が何をしていたのか、分かった。
綿毛をふーっと吹いて飛ばそうとしていたのだ。
綿毛を飛ばすって、ただ楽しい。
それが大人になって何かの役に立つかと言われると、
「うーーん」と一瞬考える。
私にもタンポポの綿毛をふぅーっと吹いて飛ばしたことはある。
ただ楽しい。なんか面白い。それだけ。
楽しいから、教えたくなる。
なんか面白いし素敵だから、一緒にやってみようって思う。
その気持ち、じんわりと温かい何か。
それは生きる術ではない。
生きる糧であり、
この光景こそが人が生きる目的のような気がした。
それがこの世界の醍醐味だと思う。
余談:
数年前、近所を歩いているとタンポポがそれは見事にたくさん咲いていた。
黄色の絨毯のようで綺麗だった。
母親に
「この辺はいつもこの時期はこんなに咲いていたな?」
と聞いたところ、
「あんたらが子供の時は、子供の人数が多かったし、
片っ端から綿毛ふー!して、吹き飛ばしてたやん!」
と言われた。
綿毛は自然に風に飛ばされる方が良かったんだなと、
大人になってから理解した。