こんにちは、熊吉です。
ここ最近気持ち精神論的な記事が多いと感じている人もいるかもしれません。
というのも、入試本番がさし迫っているいまの状況で、実は勉強法として何かを変えることはできません。
あと、短期間で劇的に変えられるとしたら、暗記の方法で少しでも単語を増やしたり、用語を覚えたりといったぐらいです。
学力という面で考えたとき、試験にはこれまでの頑張りの成果の方が、より結果に影響を与えます。
しかし、その実力を逆転させて左右させてしまうのが、精神的な影響・心理的な影響です。
私たちは想像以上に、無意識的な精神の影響を受けています。
実際、有名な科学雑誌Newtonの2月号に、バイアスの心理学という特集で、私たちが特に影響を受けてしまいがちなバイアス、精神的・心理的な影響について紹介されていました。
そこで今回は私たちがついつい影響を受けてしまうバイアスから、特に受験勉強に影響があるものについてピックアップして紹介したいと思います。
この記事を読むことで、受験勉強や入試に影響を与えることがらについて理解でき対策が深まるはずです。
ぜひ、最後までチェックしてみてください!
失敗は他人のせい?「自己奉仕バイアス」
まず紹介するのが、自分が成功した時は自分が頑張ったからだと感じて、失敗した時はその原因が他人の能力や行動のせいだと感じてしまう「自己奉仕バイアス」です。
例えば、テストでいい点数が取れたときは自分が一生懸命に頑張って勉強したからだと思うけど、うまくいかなかったときは、近くにいた人がずっと咳をしていて気になってしまったから解けなかったんだと言ったり、友達が解説を教えてくれなかったからできなかったんだといってしまったりした経験はないでしょうか?
また、先日紹介した先輩の失敗実例を読んで、そんなことする人はいないでしょう!と感じたり、自分は大丈夫だもんねと思ったりした人はいなかったでしょうか?
このように、ついつい、成功は自分の力のおかげだけれども、失敗は他人のせいにしてしまうことを「自己奉仕バイアス」といいます。
この状態になってしまうと、模試の成績が悪かったり思うように勉強できなかった状況の原因を人のせいにしてしまいがちです。
もちろん、実際に想定外の出来事があったり、邪魔が入ったという事実もあったかもしれません。
しかし、失敗を他人のせいにして改善する方法を考えられなければ、一向に良くなっていくことはありません。
いい結果だけをついつい追い求めてしまい、自分は失敗をしないだろう、どうにかできるだろうと見積もってしまいがちなのが人間です。
今までを振り返ってみて、うまくできなかったテストは人のせいにしていなかったかもう一度確認してみましょう。
また、失敗例を読んでみて、この失敗に自分ならどんな対処をするか決めている、準備できているか確認してみましょう。
自分だけは大丈夫と思ってしまいがちなのが人間だからこそ、振り返りをしておくことで、その心理的な影響の罠につかまってしまうことを防ぐことができます。
頑張っても報われない「学習性無気力」
2つ目に紹介するのが、何をやっても報われないし自分は勉強ができないからやる意味がないと感じる「学習性無気力」です。
これは、これまでに勉強を頑張ってきていたつもりでも、なかなか結果が出てこずに苦労してきた学生や、中学受験、高校受験で不合格になった経験があって、勉強しても認められないと感じてしまう人に多い現象です。
それまでの経験から、自分は頑張ってももう結果は変わらないということを学び信じ込んでしまっている状況です。
残念ながら、時にはどうしようもない状況というのもあるでしょう。
例えば、共通テストまであと4日ほどに迫っているこの今から、点数を200点以上伸ばしたいといわれたら、それをかなえてあげる方法を私は知りません。
しかし、高校2年生の学生が高校3年生の1月初旬までに200点以上得点を伸ばしたいといわれれば、それは十分に可能性があります。
また現在受験生という人においても、来年浪人することも覚悟のうえで、いわれれば実現する方法は十分にあります。
このように、どうしようもない状況というのは確かに存在していますが、それでもたいていの場合状況を回避しようとする努力によって、勉強の点数は変えていけることが多いです。
しかし、長年勉強方法がわからず、自分なりには一生懸命に頑張って取り組んできていたにも関わらず成績が伸びなかった学生や、頑張ってきたことを認めてもらえず、むしろ親から否定ばかりされてしまった学生は、自分なんて勉強してもむだだと思ってしまい、努力しようという考えすら頭に浮かばなくなってしまいます。
こういった状況を打破するためには、周りに頑張って少しずつ成績を伸ばして認められている人に近づくことです。
友達で一生懸命に勉強している人でもいいかもしれません。
塾で、名前も知らないけど一生懸命頑張っていそうだなと思える人でもいいかもしれません。
そういった人をライバルにして、身近において、まずはその姿を追ってみるのです、
そういった人たちは、決してうまくいかないことがあっても勉強を止めず、着実に成果を上げていくことでしょう。
その姿を見ているうちに、自然と同じように頑張ろうという意思がわいていきやすくなります。
勉強や自分の在り方は、そのまま周りの環境の影響を強く受けます。
なかなか家庭環境を変えることは難しくても、周りにいる友達・ライバルをどういった人と一緒に過ごすかは自分で選ぶことができます。
ぜひ、自分にとってやる気を上げてくれる、すごいと思える人を身近において、引っ張ってもらえることを目指しましょう!
都合がいいことをついついいけ入れてしまう「感情バイアス」
最後に紹介するのは、自分にとって心地よいこと、都合がいいことだけを選択して聞き入れてしまう「感情バイアス」です。
たとえば、勉強した方がいいことはわかっているし、自分でもしなければならないと感じていたとしても、親から「勉強しなさい」といわれると、ついつい「うるさいな、放っておいてよ!」と思ってしまうようなことはないでしょうか?
また、勉強法としては正しいと思うんだけど、あまり好きじゃない先生から勧められた勉強法をやりたいと思えない感じたことはないでしょうか?
人間、頭ではわかっていたとしても、どうしても好ましくない、精神的苦痛を与えるような厳しい事実を受け入れたがらないという傾向があります。
えてして、そういった言葉は心に刺さるような、不快なような痛い感覚を覚えるもの。
耳が痛い、心に刺さっていることこそ、実は本当に必要なことです。
それをどうしても抑えたいと考えてしまいがちですが、そこでアドバイスを受け入れていかに素直に行動できるか。
これこそが勉強においても成功できるかどうかにかかってきます。
以上、受験勉強や入試に影響を与えてしまう、人間が持ちやすい心理的影響・バイアスについて紹介しました。
これらの内容はどうしても無意識的に起こりやすく、受け入れがたかったり、自分ではどうにもできないと感じてしまったりしてしまうことが多いと思います。
これほど、私たちの体や思考は無意識的な精神の影響を受けています。
こういった影響が私たちに強く出ていることを知り、自分はその罠にはまっていないかなと確認するだけでも、この影響からは抜け出しやすくなります。
今日紹介したバイアスはたくさん紹介されていた内のほんのわずかな部分ですが、こういったことがあると知って振り返るだけでも受験勉強には大いに役立ち、落とし穴にはまることを防ぐことができると思います。
今日の記事が受験勉強における罠を回避する手助けになればうれしいです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!