「絶え間ない隙間を縫って、向こう側へ弾け出た先の体積について、あなたはどのくらいだと演算するかしら?」
「弾けでた先ですか?」
「そう、ポップコーンみたいにポーンとね」
「ポップな表現ですね」
「弾けているのかもしれないわ」
「飛び跳ねすぎて怪我をしなければいいですけど」
「基本1マス前に進むのよ」
「一局打ちますか?」
「そうね、でも今はさっきの問に興味があるの」
「チェスと違って曖昧な問ですね」
「そう、白黒区別できないの」
「計算するには問の情報が少なすぎます」
「あら、そう」
「はい、そうです」
「あなたには足りないわね」
「何がですか?」
「何だと思いますか?」
「知識ですか?」
「イマジネイションよ」
「想像力ですか」
「そう、曖昧だからこそ好奇心が湧いて知りたくなるとは思わないかしら」
「絶え間ない隙間を縫うような努力をしてですか?」
「計算式は後からついてくるものよ」
「ルールと同じですね」
「まだ見ぬ不思議に心が弾けるの。この先はどうなっているのかしらって」
「なるほど」
「こういう心模様を表す言葉がなかったかしら?心ポップコーンみたいな」
「胸がときめく」
「心ポップコーンでも伝わるわ」
「素敵なイマジネイションですね」
「あなたに必要なものよ。チェック」
「参りました」