私は自他共に認めるボケ母、ダメ母で、子供達に怒られながら日々なんとか母親業をしている。
言われたことをすぐ忘れちゃうし、言われてても仕事してると耳に入ってこないし、大体いつもぼーっとしていて役に立たない。
今回もまたナツに怒られてしまった。
夜、子供達の寝る時間のことで、
旦那は泊まりがけの仕事で留守だった。
「ママ、明日クリスマスのイベントみたいのがあるんやけど、持っていくものとか見た？」
「え？なにそれ？持っていくものなんてあるの？」
「だから、それを調べてって言っとたやろ〜。」
で、慌てて、学校のアプリを開いて見る。
メールやら時間割やら、宿題やら、とにかく項目が多くてどこ見ていいか分からない。
一応見てるつもりだけど、見逃してしまうものも多いのだ。
あ、これかな？！
というクリスマスっぽいポスター画像があったので、見てみると
「クリスマスのセーター、帽子、耳飾りをつけて出かけよう！」
と雪だるまが言っている。
ん？クリスマスのセーター、帽子？？
ないねぇ・・。
「え？どうしよ。買ってないよ。そんなの。」
「ほら、ママ〜！
見とってって言っとったやろー！」
「え〜、知らんわ〜。」
というやりとりを聞いていたユキも、
「アタシも持っていくのある？
明日のクリスマス会では歌を歌うよ？」
と言うので、ユキの方のアプリも見てみると、同じ雪だるまのポスター画像が貼ってあった。
やば・・。
どうしよ。
でも機転のいいナツは早かった。
「帽子ない？赤いの。」
赤い帽子？？
そんな派手な帽子は普通の日本人なら持ってないが、派手好きなアイツなら持ってるかも・・
と思い、旦那のクローゼットを探してみると、
あった〜、嘘みたいに真っ赤なニット帽！
「それに、白いぽんぽんつけりゃー、クリスマスの帽子になるけん。
ママ、ポンポン作って！」
「え？ポンポンて何？」
「もう！毛糸とかないの？」
「毛糸なんてないよ。」
引っ越したばかりで、最小限の荷物で生きてるのだし。
そんな余計なものはない。
と思ったけど、
「あ！ある！」
と、私のタンスから出したのが、日本から船便で送って最近届いた刺繍糸のセット！
手芸好きなので、大量の刺繍糸を買ったものを捨て切れずに洋服と一緒に送ったものだ。
「白のも結構あるよ！」
で、Youtube動画でポンポンなるものの作り方を見つける。
「あ〜、これねポンポンて。」
「うん、それで白を作って赤い帽子につけりゃー、なんとかなるべ。」
「アタシはセーターにつけたいから、緑と赤と白のポンポン作って〜。」
とユキも言う。
「え、そんなに作るの？
3個も？」
とギョッとなったところで、
「じゃ、ママ、うちらもう寝るから作っといてね〜。」
となった。
「え？寝るの？」
「うん、寝るから作っといて。」
ということで、子供達の指示のもと、ポンポン作成の宿題が出てしまった母。
母も眠いよ〜・・。
でも、頑張った。
結局12時近くまでポンポンを作り続けて、４つ作成。
（普通こういうのって母の方が自発的に作るものよね。子供に怒られて作る母って悲し〜・・。）
白いのはニット帽に縫い付けて完成させたけど、ユキの方はどのセーターがいいのか分からないので、明日の朝聞いてから縫い付けることにした。
そして、朝・・。
ナツの方からはOKが出た。
（やったー）
でもユキは気が変わったのか、やっぱセーターにはつけなくていいと言い出した。
セーターはクリスマスっぽい赤い柄のものを着るから、それだけでいいと。
え？！
母の夜鍋は？！
（ってか、徹夜はしてないけど、1時間半は頑張ったよ？）
母の汗と涙の結晶は？
え〜、でも、なんか残念すぎる！
この３つのポンポンも使って欲しい〜！
どうにか活用したい想いで頭を捻り、
ふと、ユキの髪の毛に付けてみることにした。
最近、サイドの髪の毛を三つ編みにしたり、ゴムで結んだりしてるのだけど、そこに付けてみた。
すると、
「いいね、いいね。
緑がこっちで、赤がこっちがいいよ。
それだとバランス良くて可愛いよ。」
と、ユキも嬉しそう。
やった〜！
ということで、完全にクリスマスモードの頭ができた！
そして、普段からしたがっていたイヤリングも特別に付けてみた。
ユキを子供のように可愛がってくれてる幸子さんからもらったものだ。
完成〜〜〜。
うん、満足！
頑張った甲斐があった。
そして、その日の午後にはクリスマスのコンサートがあり、
親も招待されていたので、見に行った。
ユキは後ろの方でよく見えなかったけど、一応口を動かして歌っていたような、歌っていなかったような・・。
でも、みんなクリスマスっぽい服を着てたり、帽子をかぶっている中、ユキもそれっぽくしっかり馴染んでいた。
帰り際、
「みんな、このポンポンが可愛い〜って言ってくれたよ。
すごい触られた〜！」
と報告してくれた。
よかった、よかった。
子供に叱られて頑張った甲斐があったわ。
「また付けたいな。」
と言うので、
「じゃ、パピーたちとのクリスマスイヴの時にまたつけようっか。」
「うん、そうする〜。」
というわけで、
とりあえず、学校は今日でおしまい。
明日はさっそくトゥールーズ行きの夜行列車に乗る。
はぁ、もう何もかもが早いのよ〜。
ボケボケしてる間に時間だけが過ぎていく〜。
と、今日もボケ母は子供と旦那に叱られながら、なんとか、毎日を生き延びているところなのです。
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