ここまで、たびたび、『人民元問題』 を取り上げてきました。
この問題の背景にある 『米中貿易不均衡』 は、かつての日米間の姿、そのもの。
戦後、日本経済が急速な発展を継続した時期、米国は、日米貿易摩擦を解消するため、プラザ合意(85年)などの為替政策(米ドル安誘導)を何度も行ってきましたが、その都度、弊害としてインフレや株価下落の懸念が生じたため、米ドル高政策へ転換してきました。
今の人民元問題とまったく同じ。 歴史のコピーって感じです。
中国経済のバブル崩壊がカウントダウンに入っていますが、金融危機後、低迷を続けてきた世界経済にとって、中国経済は救世主の役割を演じてきました。
日本を含む先進国経済が、金融危機により致命的な打撃を回避できたのも中国の大量消費のおかげ。 増加し続ける石油・石炭・鉄鉱石の消費量は、資源国通貨にとって拠り所。
近い将来、『人民元切り上げ』 は行われるでしょうが、それが中国経済バブル崩壊やそれに続く世界大恐慌の引き鉄になるように思えてなりません。
『人民元切り上げ』 の際の米ドル円への影響は、すでに歴史が示しています。
03年ドバイG7で、この話題が持ち上がった後、米ドル円は115円台から101円台まで円高が進みました。
ここから察せられることは、米ドル円は、昨年11月の直近最安値(84円前半)を大幅に下回り、95年の最安値を切ることになるんでしょうね。
下値の滞空時間は短いでしょうが、『頭と尻尾はくれてやれ』。
まずは、下値の確認から…と思っています。