先日、指標や金利の発表は、「相場が行きたい方向へ動くための『事由』にすぎない」といったことを綴りましたが、「そんなことを知ったところで、取引にはちっとも使えない!」との声が聞こえてきそうですので、今日は、もっと実務的なことをお話ししてみます。
FXを始めた最初の頃、経済指標や政策金利の発表があると、何となくそわそわして、事前にトイレを済ませ、万全の態勢で発表の瞬間に臨むものの、いざ発表となってみれば、乱高下する値を前に立ち竦んでしまって、ただただチャートを眺めるばかり。 そんな経験をよくしたものです。
相場は生きものですから、経済指標項目の重要度にも移り変わりがあるようです。
サブプライム問題が顕著化した頃は、住宅関連のものが脚光を浴びていましたが、最近は景気現況や見通しに重きが置かれているように感じています。 そのことは、発表後の値動きの大きさに現れています。
ただし、いつの時でも大きな注目を集める、すなわち、発表後に大きな値動きを示現するのは、米国の雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率)とFOMC政策金利ではないでしょうか。 失業率の悪化や政策金利の据え置きは、事前に明らかなのですが…。
これら2つを為替取引の面から比べてみますと、大きな違いがあります。
前者は、①2つの指標が発表されること、②前回発表値の修正が行われることがあることから、上下の値ブレが顕著化することがあります。 そんなことから、決済のレベルを定めづらかったり、ストップ・ロスに引っかかってしまったり、なかなか扱いづらいものです。
後者は、発表時間が、欧州のビジネスアワーから外れていることもあってか、大きな値動きを示現するものの、その動きは一方向に偏りやすく、恰好の狙い処と言うことができます。
ここに、直近7回分のFOMC政策金利発表後6時間のGBPUSD変動を図示してみます。
値動きが大きい(7回中6回は150pips越え)のに、0(ゼロ)を跨いだことが1度もない(始値べースで。 正確には、最大7pips跨ぎます)、言い換えますと、逆方向に動かないから、慌てず悠々と決済できます。
難点を言えば、日本時間の午前3時過ぎ。 この日ばかりは、夜更かし、もしくは早寝早起きして、是非とも相場に参加したいものです。
次回は8月12日、さて、どうなるでしょう
PS
同じ政策金利なのに、ECBの場合は、このようになりません。 あとに総裁記者会見が控えているから? NY入りを控えているから? 背景はわかりませんが…。