オーチャードの景観に変化が現れたのが1970年に入ってからです

 

以前にも昔のオーチャードロードについての思い出を投稿したことがありますが、1970年に開業したヒルトンと1971年のマンダリンの姿には、シガポール中の人達がびっくりしたことでしょう

 

今のオーチャードロード界隈にはホテルやショッピングモール等の背の高いビルディングが建ち並んで、アジア有数の繁華街だと言っても過言では無いと思います

 

でも私が初めて訪れたオーチャードには、そんな華やかな雰囲気は存在せず、二階建ての古びたショップハウスが建ち並ぶ寂れた町並みで、ところどころに低層のビルが建っている、そんな長閑(のどか) な場所でした

 

シンガポールで最も由緒ある高級ホテルはラフルズで、その次がグッドウッドパークだ、というのが今の認識だと思います

 

もちろん、当時もそのクラシックホテルは一目置かれた存在ではありましたが、今は無きホテルシンガプーラ が国際ホテルとして最も格式のある存在だったような気がします

 


Hotel Singapura (現Forum) の左に建設中のHilton Singapore

 

上の写真は1969年末から1970年始めにかけての時期だと推測します

 

私はホテルシンガプーラのプール会員だったお友達に誘われてよく行ってたので、プールサイドから建設中のヒルトンを見上げては「シンガポールも変わって行くなあ…」と感慨に耽ってたことを思い出します

 

 

ヒルトンが部分的に開業し始めたのが1970年3月でした

 

シンガポールに初めて外資系ホテルチェーンの高層ホテルが出現した、と大きな話題になりました

 

それに加えてオーチャードには新たな高層ホテルが建てられるというニュースが飛び回りました

 

それがマンダリンホテルだったのです

 


建設中のMandarin Hotel

 

上のは1970年初頭に撮影されたものだと思います

 

それと同時期に別の角度から撮影されたのが下のカラー写真になります

 

 

 

この二つの写真から、建物の中央部を先に建設してから、両脇の建屋を後で建設していたのだな、という工程が解ります

 

 

マンダリンホテルが部分開業したのが1971年11月で、その直後に私は両親に連れられてホテル内にあるレストランへランチを食べに行ったのを覚えています

 

地下の駐車場に車を停めて、レストランのフロアを探そうとしたのですが、どこもシャッターが下りて工事中の場所ばかりでした

 

ようやくパインコートという中華レストランに辿り着き、親がいろいろと注文した後に北京ダックが出て来たのが印象に残っています

 

それ以前にシンガポールの老舗レストランで北京ダックは食べたことはあったのですが、ここのは甘味噌の香りが独特で、鼻についてあまり美味しいとは感じませんでした (なんて贅沢な中学生…)

 

 

 

そんなMandarin OrchardとHilton Hotelですが、2022年の2月にはオーチャードから消えてしまいました

 

と言っても建物そのものが消え失せてしまったわけでは無くて、ホテル名が変わってしまったのです

 

まず、今までのヒルトンの建物はIHG (インターコンチネンタル) 系列のVOCOというブランドのホテルに変わりました

 

 

そしたらヒルトンはどうなったの? という疑問が湧いて来ますが、ヒルトンは生き残っています

 

今までマンダリンだった建物は  Hilton Singapore として生まれ変わりました

 

 

シンガポールに変化はつきものです

 

どちらの建物も既に50年を経過した古いもの、ということは、いつかこのホテルにもそう遠くない先に建て替えの時期が訪れることでしょうね

 

 

そう言えば、シャングリラホテルだって最初に建てられたのは1970年で、50年経過しているし…

 

 

 

古いものがどんどん無くなり、新しくなっていくシンガポールかな(汗)