手紙 | 駄馬が行く

駄馬が行く

SR400と行く、日本の旅

金曜日の主事会には、各校の養教さんも出席だ。
勤務校は規模がでかいので、養教さんは2名いる。一人はベテランで、僕も信頼している。
もう一人は一緒に出席した人で、大学出て2年目の若手。
常勤講師で、今年赴任してきた。
採用試験を受けたが、駄目だったようだ。
今は6月に1次試験なのな。
早い県は、5月とか。
試験なんか早めたところで、民間に就職する学生は3年次に決めてる。1ヶ月早めたところで、文科省がいう人材確保になんの効果もない。
どころか、この養教さんみたいに慣れない環境に置かれた場合、むしろ試験が早くなるのは足枷でしかない。
加えて今年は土日の組み合わせが悪く、健康診断の実施が去年の時点で厳しいとわかってた。
ほんとに可哀想。

やはり、文科省がギャーギャー騒ぐと、現場は迷惑する。
増やす一方で減らす気がない事務仕事…むしろ増やす結果のDX化、また増やしやがった年齢悉皆研修などなど。
ほんとに、文科省職員全員、1回子供を卒業させてこい、最低でも3年間担任やってこいと言いたい。






25年前、僕も手紙をもらった。
手紙っつーか、FAX。
当時は1次試験が7月半ば、それに受かると受けられる2次試験は8月末に実施だった。
手紙をもらったのは、4回目で初めて挑む2次試験の当日のこと。
くれたのは、結婚三年目で、ひと月ほど前に生まれた初めての子、長女を連れて実家にいたママだ。
内容は、

「パパがんばって!
○○も応援してるよ!」

という元気の良い、それでいてきれいな文字で書かれた文面と、小さな小さな手型。
まだ赤ちゃんの長女の手を開き、ぺんでなぞったもの。
僕は1次試験に受かってすぐ、交通の便が良い実家に引き篭もって小論対策をみっちりやってたんだが、今まさに試験に向かうべく家を出ようと玄関開けた瞬間に受信した。
ギリッギリよ。

それを大切にたたみ、スーツの胸ポケットに入れて、いざ鎌倉 だったな。
2次試験は小論と面接。
どっちも問題なかったけど、順番を待つ間に、度々開いて見たなぁ。
そのおかげで、問題なかったのかもな。


ああいうことができるのが、ママだった。
なんとか応援したかったんだろうな。でも当時は、携帯電話すらない。考え抜いて咄嗟に思いついたんだろう。
素晴らしい妻だった。
ホントに、素晴らしかった。

過去形でしか語れないのが、残念でならない。