#事故に遭った経験 の話 | 駄馬が行く

駄馬が行く

SR400と行く、日本の旅

事故に遭った経験

 

 

 

 

 

同じネタで投稿する

 

他の投稿ネタを確認する

 

絶叫動画50連発。
夏の定番、ホラー番組だねぇ。
悲しいかな、その映像のほとんどは、既に何度も見たことあるモノばっかし。しかも、番組では調査不足なのか知らんけど、中には作り物だってとっくにばれてるモノまで混じってるぞ・・と言うことまで知ってて見てる悲しさ。

見えないモノを引き寄せる、攻撃される、そういう体質なのに、この手の映像大好き。
ばかだ、俺。

でも、昔っからそういう体質だった分けじゃないんだよね。
顕著になったのはゆめが生まれてからだけど、その最初の最初の始まりは、二十歳の頃まで遡る。





一浪して大学に受かった年の春。
まだ、学校は始まっていない。
アパートへ引っ越しして、準備はすっかり整ったけど、近所に知り合いもいないし暇だし・・・
で、たまたまその手の雑誌に載ってたホラースポットが大学の近所だってことが分かったので、愛車DT50にまたがって暇に任せて行ってみた。

 


そこへは、大学の前の道を校門出てから東へ少し行った先の交差点を北上する。
僕の当時のアパートからだと、その交差点へ南から来て、左折で学校してまっすぐ北上する形になる。


しばらくは田んぼと山に囲まれた民家の一つもない道をくねくね曲がりながら走ってゆく。


予め調べておいた目印の民家が見えた。
目指す場所は、その脇の細い道を登った先にある。



登り始めたら、4月だってのに、しかもメットかぶってるってのに、蝉の声がワンワン響いててうるさいことこの上ない。

途中、ふと足元を見ると、キックペダルが無くなってることに気がついた。

え~って思いながらもエンジンが止まらないよう祈りつつ走った。
道を登り切った先では、大木がバリケードのように倒れて道をふさいでいた。その周辺は、ゴミの山だ。
ペダルがないのでエンジンを切らずに下車し、先を伺ってみた。
大木のむこうには開けた場所になっていて、記事にあったとおりに石段だけがあった。
でも、首の無い地蔵さんというのは見えなかった。
つーか、真っ昼間なのに薄暗いし、今思い返すと目の前に霞がかかってるみたいで、視界がはっきりしてない。
ついでだが、そのバリケードから中へは入らん方がいいんだろうなって思い、左足を大木に乗せて、辺りをうかがっただけ。
別段、薄気味悪いとかそういう感じはしなかったけど、キックペダルの注文もしなきゃいかんし、早々にその場を離れて帰路についた。

細い道を出て間もなく、道路にキックペダルが落ちてるのを見付けた。
拾ってはみたものの、50ccのオフロードバイクではしまっておく場所もない。引き返し、さっきの民家で紐をもらおうと思いついた。

民家は、コンクリート敷きの庭を挟んで右手が母屋、左手が農機具小屋。
僕が行ったときは今まさに、おじさんが農機具小屋の裏手へ回っていこうとしているところだった。
いつの間にかまた始まった蝉の声が相変わらずうるさい中、大きな声で呼んでみたが、おじさんは気づかずに裏へ回ってしまった。

ヘルメットを取って声をかけながら追いかけたら、おじさんいない・・・
おかしい。

出入り口もないし、行き場所ないはずなんだが・・・。


仕方なく母屋へ行くも、中では掃除機がかかっていて人はいるらしいけど、呼び鈴押しても呼びかけても、誰も出てこない。
しかも、掃除機の音が移動してない・・・



おかしなこともあるもんだ。
その時はあまり気にもしないで、ともかく急いでバイク屋へ行き、ペダルをつけてもらった。
珍しいねって言われた。

こんなとこのネジなんか滅多に外れるモンじゃないんだって。







数日後、僕はその交差点で事故った。
入学式の数日後、帰宅しようと件の交差点へ向かっていた。そこを右折すれば、アパートに近い。
まだ不慣れな道で迷わないようにゆっくり走り、交差点では十分な減速をした。

 

 

 

 

つもりだった。





でも、なぜか曲がりきれなくてガードレールに突っ込んだ。
バイクは、ガードレールを乗り越えて、畑の向こうまでぶっ飛んでいた。
大破で廃車。
僕、入院
ガードレールが刺さった左足は、大腿二頭筋断裂。筋膜と表皮合わせて数十針縫う大怪我。全治2ヶ月。さらには、両足とも打撲によってひざが全く曲がらなくなった。


なのになぜか、血は、一滴も出なかった。


最初なんともないって思ったんだけど、ジャケットの裾からジーンズの生地が垂れ下がってるから、『あちゃ、少し切ったかな?』って思って裾をめくったら、硬式野球ボールくらいの穴が空いててて、中に超新鮮な鳥のささ身がぬめってた。

ばっくりと開いた傷口の中のささみは、超新鮮でいかにもジューシー。

これで血が出てないとは、一体・・・?

 


さらに不思議なのは、打撲の原因。
左足は、たぶん車体とガードレールに挟まれて打撲。これは分かる。
でも、右足は何で打撲?
メットの傷からは、右側に激しく倒れて打ったことがわかる。
もしかしたら、まず左足を挟まれ、反動で右側に倒れて道路と車体に挟まれて右足を打撲したのか。
それで右足打撲の理由は付くけど、こんどはバイクが畑の向こうへぶっ飛ぶ理屈が付かん。
1回右側に完全に倒れて運動エネルギーを半ば失ったバイクが、再度勢いを盛り返してガードレールを乗り越えるかよ???
その運動エネルギーだって、右足のズボンが全くと言っていいほど擦れてないのを見れば、ほんとに大したスピードは出てなかったはずだ。

 

 

 

 


目撃者の話によると、僕は学校の方から猛スピードで走ってきて、曲がりきれずにガードレールに突っ込んだらしい。
僕の認識とはだいぶずれがある。
そもそも、越してきたばっかで迷いそうな不慣れな道で、猛スピードなんかださんて・・・
でも、バイクがガードレール飛び越えてるんだから、猛スピードだったんだよな、きっと・・・
ついでに、バイクがどうやってぶっ飛んだのかも見てて欲しかったなぁ。


後日談。

そのお堂、地元では超有名なスポット。大学の運動系サークルでも、マラソンがてらそこへ行こうという連中は数知れないが、たいがいは道に迷って行き着けないんだって。
おまけにその交差点を右に曲がった道、僕の通学路だけど、そこは戦車道と言って、これまたいわくあり。いわくの内容は、機会があればまたいずれ。
事故が頻繁に起こるけど、怪我するのはたいがい左足だそうな・・・

 

キル・ビルっていう映画の中で、主人公が必至に足を動かそうとする場面があるのをご存じか。
何年も寝たっきりだったので、足が自分の意志で動かんという場面。
僕の両足が、まさにあれそものもだった。
自分では動かそうとするのだけど、筋肉が全く言うことを聞かない。
断裂した傷口以外に、変色も腫れも全く無い。
なのに、まるでその神経だけが無くなったみたいにぴくりとも動かない両足のひざ・・・
ちなみに、ひざから下は動かせたんだよな。だから、ロボットみたいひざを曲げないで歩くこと自体はできた。切れた傷も全く痛みがなかったし。っていうか、傷あたりの感覚が戻ったのは数年後だしね。

膝は半年で普通に動くようになったな。
そういう怪我も、ありかしら?