『源氏物語』「須磨の巻」を読んでいます。
たまらなく 自然を感じます。
遠く都を離れ、
哀しく虚しい思いの源氏。
夜の闇に目覚めてお琴を奏でますが、
ぞっとするほど寂しい響きに涙を流し、
和歌を詠み上げます。
その素晴らしさに、
お付きの者たちが目を覚まします。
ああ、彼らを不安にさせてはならない と、
気のきいたことを言ったり
絵を描いたりする源氏。
音楽、美術、和歌
…次々と、呼吸のように生み出される芸術作品は、まるで空に映し出された心が、流れ星になって降り注いだかのよう。
月と海と己。
かつて宇宙がすべてのはじまりでした。
万物が生み出された創始の一点とつながって、もの想いにふけりつつ心の声に従うからこそ、美しい表現がとめどなく湧き出したのではないしょうか。
電化製品のなかった時代の
ノイズのない言葉たち。
心の声を聞き取る純度に、
ある種の 生命力を感じます。
そのセンスを、そっと胸に仕舞いました。
きのうまで 新月でしたね。
素敵な一ヶ月となりますように♡