昨日の続きでスマートメーターの話です。
なぜ、スマートメーターが必要なのか。
私はこの理由には、2つあると思っています。一つは、多額の設備投資、もう一つは電力コントロールです。
まず、多額の設備投資の観点です。
昨日の勝手な前提では、スマートメーターは、1つで50,000円かかることにしました。
東電の顧客は、調べてみると3,000万口くらいあるようです。メーターは契約ごとに必要ですので、1口に最低1台、場合によっては2台あるとすると、全国のメーターはざっくり1億台くらいあるのではないでしょうか。
全国のメーターをスマートメーターに替えるとすると、
1億個× 50,000円 =5兆円
スマートメーター導入によって、直接的に5兆円の金が動くことになるわけです。
金が動くところには、利権があります。スマートメーターに関連する企業には通信事業者や、IT企業が入ってきます。これまで利権の代表格としては、公共事業におけるゼネコンが中心でした。今度は新たな利権を作ろうとしているのからもしれませんね。
さて、公共事業においては、金を動かそうと思えば税金を投入しないといけません。ただ、税収には限りがあるため不景気の折、国の財政に限りがある中でたやすく支出はできません。
しかし、スマートメーターは、電力会社が消費者から金を徴収し、自主的(?)に行っていることです。
政府側から考えれば、税金を一円も使わずに公共事業と同じことができる魔法の施策です。
国民側から考えれば、電気料金を通じて徴収されて使われる、隠れた税金というわけです。
5兆円といっても、あまりに大きすぎてピンとこないかもしれません。東日本大震災の復興費用が20兆円といわれています。ということは、その4分の1にあたる規模なわけです。たとえ負担が避けられないとしても、よくわからない「消費電力の見える化」でなく、復興に使ってほしいところです。
さて、もう一つの理由は、電力コントロール。
枝野経済産業大臣は、「24年以降、計画停電は強い意思で回避する」と述べました。
昨年の計画停電は、必要な電気に対して発電力が足りないことによって発生しました。足りないので、発電所を作ろうと思ってもそんなにすぐに出来ません。また、政府が発電所を作ろうとする動きも特にないようです。
このニュースを見ながら、「この方は、強い意志を使って電気を起こす超エコ発電法を発明したか、有言不実行というマニフェストに忠実なのかどちらかに違いない」と思っていました。
しかしながら、ここでスマートメーターが導入されてくると違います。スマートメーターには、遠隔操作で供給を入り切りできる機能がついているのです。
現状の電力系統は、大きなエリアごとでしか停電できませんでした。昨年の夏は、病院だろうが、学校だろうが、関係なしに停電になるという事態。スマートメーターが入れば、それを各戸単位で停電コントロールできるようになるわけです。電気が足りないと思ったら、不要だと思われるところを各戸単位で停電させてしまえば、大規模計画停電にはなりません。
「私の選挙区については、働きかけて計画停電の対象から外してもらいました」と昨年述べた議員さんもいました。スマートメーターが導入されれば、「私を支援してくださる方は個別に停電から外します」という感じで、自由自在に電力の入り切りをコントロールできるようになるわけです。
電力の遮断による統制が可能な仕組みができあがるわけですが、政府や電力会社が悪意をもった場合、はたまた諸外国やテロ集団がここを握るとどうなることでしょうね。
というわけで、私のスマートメーターに関する見解は、cunning(狡猾な、ずる賢い)メーターという結論です。
日本語でカンニングというカタカナ言葉を使いますがその意味はありません。
もし「メーターを交換させてください」といわれたら、その後優先的に停電にさせられるかもしれないから、とりあえず「うちは今間に合ってます。」と言ったほうがよいかもしれませんね。