目下の研究課題


それはエリオット作品におけるスペース、視覚の作用、そしてリアリズムです。


まあ簡単に言うと、作品中の場所の描写に着眼し、


その場所を人物がどのように見て、どのように通り過ぎるのかを紐解く。



まあこれをリアリズム的視点で論じていくわけですが、


Felix Holtの場合、作品自体の評価があまり高くなく、


リアリズム的に見てもやはり失敗作の烙印を押されても致し方ないと思う。


個人的に物語自体は好きですが、、、、、、


フェリックスプロットとハロルドプロットなどが作品後半になって重なり合って


いくのは見事だと思いますが、やはりそれでも私個人としては


あまり繋がりが感じられません。


人物同士が重なり合うことがあっても、


真実性が感じられない。


具体性に欠ける。


これは作品自体のの低評価につながるような気がします。



雑誌編集者時代にエリオットが書いたドイツの小作農についての評論


The Natural History of German Life


から始まったエリオットのリアリズムはAdam Bede以降、


その勢いを失います。


その下降気味にあったリアリズムをFelix Holt内でどうやって評価するのか


というのが難しい課題です。



今は一時的に大学の授業準備をしてますが、それが終わったら


再び論文に戻ります。