ジョージ・エリオットの三作目。
1860年出版で彼女の初期の代表作。
これを初めて読んだのはイギリスの大学院での授業。
印象としては、直前に読んだブロンテの『ジェイン・エア』と
似たような印象を持った。
まあ両作品とも自伝作品として名高いから、、同時代を生きた
女性として経験した苦難、葛藤という点では共通点はある。
でもエリオットの場合、ブロンテみたいに学校での過酷な経験
を描くことはないし、『ジェイン・エア』は兄妹関係を描いたものではない。
ただヴィクトリア朝のイギリス家父長社会の中で両作家が
置かれていた境遇は同じだと思う。
よく言われる
家庭の天使たる義務をブロンテもエリオットも認知していたこと。
これはブロンテ、エリオット研究において頻繁に言及されてきた。
19世紀のイギリス女性の理想像
これはすでにほとんどの作家で研究されつくされたテーマであり
ブロンテ、エリオットも例外ではない。
僕も最初はエリオット作品の女性像を探る研究をしていたのだが
最近は少し視点を変えて、
フェミニズム研究+空間描写+主人公の精神遍歴
に研究テーマをシフトしている。
さあ、発表が終わったらこれまた難しい『ロモラ』研究が待っている。
やるならやらねば!