恩返ししたこと

 

誰でも、「これは、きっと、相手が困っているに違いない」

と思って、とっさに行動するときって、ありますよね。

 

例えば、落とし物を見つけた時。

道を歩いていて、使い古した財布が道路にあったら、

間違いなく、

「誰かが落としたんだ」と思うはず。

「ここに置きたかったから、置いたんだ」とか、

「誰かが親切に、”拾ってください”と言わんばかりにそこに財布を置いたんだ」

とは、考えないはず。

 

買い物にでかけて家に買ったら、

私はすぐには片づけず、しばらく倉庫部屋に置いておくことがあります。

トイレットペーパーとか、

ストックするものは、すぐに使わないので、

買った買い物袋に入れたままにして、倉庫に数日間放置することがあります。

もちろん、野菜や果物と言った、要冷蔵品はすぐに冷蔵庫に入れますよ。

 

この日も、買い物をして、しばらく放置していました。

財布にいれたレシートも、本当にしばらく放置していました。

その買い物に行った後しばらく買い物に行かなかったので、

財布を開けることもなかったんです。

 

 

さて、買い物にでかけようか、あ、まてよ、しばらく買い物に行ってないし、

お財布の中もみてないけど、お金持ってたかな?

そう思って、財布をみたら、レシートが出てきました。

トイレットペーパー2パック。

たまたま目に入って、びっくりしました。

私、トイレットペーパーを買う時は、必ず3パック同時に買うのに、

なぜ2パックなんだろう??

 

倉庫へ行って、在庫を確認しました。

買ったままの買い物袋もそのままにしていたので、

トイレットペーパー3パックもそこにそのまま置いていました。

 

やっぱりだ。

 

レシートの打ち間違い?

いや、レシートの合計金額と、トイレットペーパーの数が合わない。

これは間違っている!

 

ここで、私の良心は、すぐに、間違っている、きっとお店の人は、

在庫の個数と売り上げが合わなくて、困っているだろう、と心配になり、

すぐにレシートの電話番号に電話をかけて、

状況を説明します。

 

思い出した、この時のレジの人、若い男性だった。眼鏡をかけてたぞ・・・。

 

そんなことも電話をかけながら思い出して、

レシートに打ってある、レジ担当者の名前を伝えて、

たまたまその方が出勤日だったので、電話を代わってもらい、

直接話をしました。

 

「はい、間違えていました」

 

私はトイレットペーパー1つ持って、

すぐにスーパーに行きます。

 

そして、こういいました。

「ごめんなさい、買ってすぐに気づいたら、

こんなに遅くに連絡しなくて済んだのに。もっと早く気づけたのに」

 

店員さんも

「わざわざこんな雨の日に、

持ってきていただいてありがとうございました」

 

私の良心は、そうやって、正しいことをしようと動いてくれました。

そして、困っていた人の顔が、ぱっと明るくなるのを見たら、

「正直でよかった」と思い、また正直に行動しよう、と思いました。

 

 

このスーパーの店員さん、

実は私が前職のとき、

私のことを怒鳴り上げた方なんですよ。

ポスターを貼らせてもらったとき、

ガムテープの貼り方が気に入らなくて、

人を通じて怒って、私はわざわざ貼り直しに行ったお店なのです。

 

もう、覚えてないよなー、何年も前のことだから。

 

いつもそう感じながら、そこで買い物をしています。

いつか、機会があったら、私の正体を明かしたいと思っています。

でも、きっと、覚えてないだろうな。

そう思って、何も言わずふつうに接しています。

 

あの時迷惑をかけた恩返し。

いつも利用しているお店なのです。

 

 

 

 

 

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