アメリカ経済もいよいよ低迷の時代に | ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ 「東京編」

ロンドン・東京そしてNYといつの間にかいろんなところを転々とそしてまた東京に。海外なんて全く興味なかったし今もないという予想外の人生でした。今は東京に戻りしばらくお休みしていましたが少しずつ再開してみようかと思ってます。よろしくお願いします

2008年のリーマンショックとそれに続く2009年の景気低迷。そのあとアメリカ経済は順調に回復しているようにも言われる。日本にいると「アメリカは経済成長しているのに日本はしてない」だとか「アメリカは金融緩和でお金をじゃぶじゃぶにしているから経済が順調に回復している」などという論調が目につく。だが、実際はどうなのだろうか?

経済成長率の推移 - 世界経済のネタ帳
世界経済のネタ帳 より)

上のグラフはアメリカの1990年以降のGDP成長率のグラフだ。2010年以降の経済成長は平均して2%程度。そして今年2014年の前半はほぼゼロ成長が確実なので2014年全体でも1.5%程度しか成長しない見通しになっている。

通常景気後退の後は大きな経済成長が待っているので2%程度という成長はあまりに低い。たとえばグラフを見ればわかるように1990年代のアメリカは3%程度の成長を実現していた。おそらく景気後退の後で2%しか成長できないということは今のアメリカの潜在成長率は1%台後半というのがいいところではないだろうか。

これを見ていて思うのは明らかに日本に似てきているということだ。欧州も含めて低迷の時代に入ってきていることがより明らかになってきている。

バブル崩壊後に「もっと財政政策が必要だ」とか「もっと金融緩和が必要だ」(あるいはだった)という議論が日本では(あるいは諸外国からも)盛んにおこなわれてきた。だが、財政政策も金融政策もあまり効果を発揮したとは言えない。「バランスシート不況」なる奇妙な理論が生まれたりもした。だが、いずれにしても日本経済の低迷はいまだに続いている。

一方のアメリカでは「日本の二の舞になるな」と積極的な金融緩和が行われてきた。だが、実際は経済の低迷、そして日本と同じような経済はなんとか2%成長しても…賃金の伸びや生活実感はまったくよくならないというような状況に陥っているのだ。

一方でオアマ政権は規制強化・増税・オバマケアといった勤労意欲・起業家精神をそぐような政策ばかりを行っている。

リーマンショック以降のアメリカの大胆な金融緩和策とその結末を見るに日本のバブル経済崩壊後の低迷の原因は金融緩和や財政政策の不足になどないということがようやく明らかになってきている。まっとうに経済学的に考えれば至極当たり前の結論なのだが…。それでも20年以上をかけてようやくまともな結論が出つつある。今一度、何が日本経済低迷の理由なのか改めて議論すべき時が来ていると思う。