帰ってきた!進め探検隊! | どうぶつびより/イングランドの丘

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「淡路ファームパーク・イングランドの丘」動物飼育スタッフによる公式ブログです。時にゆる〜く、時にまじめに、動物たちの魅力を毎日お届けしています。⊂((・x・))⊃



※今回はテイストを変えてお送りしております。

過去の探検隊の活躍はこちら
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長年、この世界のどこかにあると言われ続けてきた〝カクリークセーシャ地方〟。

この地域は年間を通して温暖な気候であるため様々な植物が生い茂り、また天敵となる肉食動物も生息していないため、草食動物たちにとっては楽園のような土地だという。
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「食べ物にも困らず防衛本能を捨てた草食動物たちは、人々の想像を絶するような進化を遂げているらしい。」という噂だけはあるものの、これまで誰一人としてこの〝カクリークセーシャ地方〟に足を踏み入れた者はいない。

しかしこの度、我々探検隊の不屈の精神が身を結び、ついにこの〝カクリークセーシャ地方〟の在り処を突き止めることに成功した。

今回は我々探検隊が〝カクリークセーシャ地方〟で遭遇した奇妙な生物たちの中からそのごく一部を紹介する。


まずはこの写真を見ていただきたい。
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一見、我々がよく知るヒツジ(学名:Ovis aries)に似ているが明らかに胴が長い。

天敵に怯えることなく食べ物にも困らないこの土地では、草食動物たちは一日中採食活動に集中することができる。その結果、消化器官が異常に進化したのだろう。
我々はこの動物を、ヒツジが特殊な環境下で変異を遂げた新種として
学名:Ovis dounagaina dounagaina
と名付けた。


続いては、脊椎動物の常識を逸脱した存在〝多足亜種〟。
学名:Ovis 
dounagaina ashiooides
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この種は東海岸沿いに多く生息している。崖が多く足場の悪い土地に適応するために足の数が増えたのだと考えられる。
岩場を駆け上がるために発達した蹄はスパイクのように鋭利で、時にはオス同士の喧嘩にも用いられることがある。迂闊に接近するのは危険だ。


南方の地域では極めて胴が長い個体群〝超胴長亜種〟に遭遇した。他の地域に比べて栄養価の高い植物が豊富に生えているため、更に消化器官が発達したのだろう。
腸の長さは体長の10倍近くあり、食べた植物は約2週間かけて消化される。
学名:Ovis dounagaina mechanagaina
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この写真に写り込んでいる一見普通のヒツジに見える個体たちは若齢個体であり、今後成長と共に胴が長くなっていくと思われる。


そして今回の調査の中で最も興味深かったのは、胴だけでなく首まで発達させた〝長頸亜種〟の存在だ。
北部に生息するこの種は、樹木の高い位置にある新芽を好んで食べるため、首が長い個体ほど生存競争の中で有利である。
なお、メスは群れの中で最も首が長いオスに惹かれる傾向があるようだ。
学名:Ovis dounagaina kubimodeska

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いかがだろうか、今回ここで紹介したものはあくまで〝カクリークセーシャ地方〟に生息する生物たちのごく一部である。
この地方の生物たちを研究すれば、かの有名なチャールズ・ダーウィンの〝進化論〟を根底から覆すような重大な発見があるのではないかと確信している。

ただし、再びこの地に辿り着くことができればの話だが…。





※次回、ネタばらし編に続く!ヒヨコ

担当 ごとう