技術は進むって事ですね・・・
伸縮自在のシリコンができたそうな。
丸めて運べるパソコンや巻物状にして持ち運べるディスプレイ。
そのうち新聞は紙ではなくこういう素材に取って代わられるのかも知れないですね・・・・・
伸縮自在なシリコンで「丸めて運べるパソコン」も実現?
いつか、コンピューターをくるくる丸めてかばんに放り込む日が来るかもしれない。そうなれば頑丈なチタン製のケースはもう必要ない。将来を見据える人々は現在、フレキシブルな電子機器に囲まれた世界を実現する構想を抱いている。こうした機器が登場すれば、最新の薄型ノートパソコンさえ不恰好に見えるだろう。
その秘密は、電子部品の材料として使われるシリコンにある。シリコンはもともと硬くてもろい素材だが、100ナノメートル――人間の毛髪の太さの1000分の1に相当――という極薄のリボン状やワイヤー状に加工すれば、曲げられることがわかっている。さらにこのシリコンは、条件が整えば伸び縮みまでするのだ。
曲がるシリコンワイヤーはすでに、曲がるコンピューター画面や電子ペーパーに使用されてきた。薄くて曲げられる軽量の部品を使うことで、画面の大型化を実現できるだけでなく、携帯性と丈夫さを同時に高められる。しかし、用途によっては曲がるだけでは不十分だ。回路も伸縮し、さまざまに変化する形状に柔軟に適合する必要がある。
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校材料科学・工学科のジョン・ロジャーズ教授 は、「次の新技術は曲げやすさに加えて十分な伸縮性を備えたものになる。伸縮性は曲げやすさや曲げ加工のしやすさとは異なる。紙は曲げられるが、伸ばすことはできない」と語る。
ロジャーズ教授の研究グループが考案した技術(画像) では、ウエハーに極薄のシリコン素子を並べ、あらかじめ伸ばした状態のゴムを貼りつける。シリコンが貼りついたままのゴムをウエハーから剥がすと、ゴムがもとの大きさに戻り、シリコンに緩みが生じる。この結果、シリコンは蛇腹のような波型に曲がり、伸び縮みが可能になる(写真) 。この技術は『サイエンス 』誌の1月13日号で紹介された。
ロジャーズ教授らも驚いたことに、この方法で加工した波型のダイオードやトランジスターは20%も伸び縮みさせることができ、伸縮を繰り返しても性能に影響は出なかった。それに対し、平らなシリコン素子は1%しか伸縮しない。これだけでも十分に素晴らしい成果だが、ロジャーズ教授は100%の伸縮性を目指している。
「紙を上手に折り畳めば、蛇腹のようなひだの構造で100%の伸縮性を実現できる。われわれはただ、この考え方をシリコンに応用しているだけだ」と、ロジャーズ教授は説明する。
「伸縮性のある」回路にはさまざまな用途が考えられる。たとえば、センサーを筋肉や生体組織に埋め込んだり、センサーで航空機の翼を包み込むといった応用が可能だろう。
オレゴン州立大学化学工学科のチーハン・チャン助教授 によると、自由に曲げられるディスプレーや電子ペーパーは、数年以内に商品化される可能性があるという。
「ウェアラブルな電子機器や太陽電池の可能性を語る人は多い」とチャン助教授は話す。「十分に効率的かつ安価になれば、将来は壁紙のように、ホームセンターで買ってきて貼っておくといったものになるだろう」
同様に、センサーやディスプレーや照明などが、壁や今後現れる新構造物の表面を覆うようになるかもしれない。
「これは現実的な話だ。かならず実現する日がくる」と、チャン助教授は語った。
・厚さ0.1ミリ、曲がるディスプレー
・安価な薄型ディスプレーを商品包装に利用
・ウェアラブル機器が集結した『サイバーファッション』
・フィリップスの超薄型電子ペーパー、量産可能な段階に
・実用化に近づいたフレキシブルな電子ペーパー・ディスプレー
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その秘密は、電子部品の材料として使われるシリコンにある。シリコンはもともと硬くてもろい素材だが、100ナノメートル――人間の毛髪の太さの1000分の1に相当――という極薄のリボン状やワイヤー状に加工すれば、曲げられることがわかっている。さらにこのシリコンは、条件が整えば伸び縮みまでするのだ。
曲がるシリコンワイヤーはすでに、曲がるコンピューター画面や電子ペーパーに使用されてきた。薄くて曲げられる軽量の部品を使うことで、画面の大型化を実現できるだけでなく、携帯性と丈夫さを同時に高められる。しかし、用途によっては曲がるだけでは不十分だ。回路も伸縮し、さまざまに変化する形状に柔軟に適合する必要がある。
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校材料科学・工学科のジョン・ロジャーズ教授 は、「次の新技術は曲げやすさに加えて十分な伸縮性を備えたものになる。伸縮性は曲げやすさや曲げ加工のしやすさとは異なる。紙は曲げられるが、伸ばすことはできない」と語る。
ロジャーズ教授の研究グループが考案した技術(画像) では、ウエハーに極薄のシリコン素子を並べ、あらかじめ伸ばした状態のゴムを貼りつける。シリコンが貼りついたままのゴムをウエハーから剥がすと、ゴムがもとの大きさに戻り、シリコンに緩みが生じる。この結果、シリコンは蛇腹のような波型に曲がり、伸び縮みが可能になる(写真) 。この技術は『サイエンス 』誌の1月13日号で紹介された。
ロジャーズ教授らも驚いたことに、この方法で加工した波型のダイオードやトランジスターは20%も伸び縮みさせることができ、伸縮を繰り返しても性能に影響は出なかった。それに対し、平らなシリコン素子は1%しか伸縮しない。これだけでも十分に素晴らしい成果だが、ロジャーズ教授は100%の伸縮性を目指している。
「紙を上手に折り畳めば、蛇腹のようなひだの構造で100%の伸縮性を実現できる。われわれはただ、この考え方をシリコンに応用しているだけだ」と、ロジャーズ教授は説明する。
「伸縮性のある」回路にはさまざまな用途が考えられる。たとえば、センサーを筋肉や生体組織に埋め込んだり、センサーで航空機の翼を包み込むといった応用が可能だろう。
オレゴン州立大学化学工学科のチーハン・チャン助教授 によると、自由に曲げられるディスプレーや電子ペーパーは、数年以内に商品化される可能性があるという。
「ウェアラブルな電子機器や太陽電池の可能性を語る人は多い」とチャン助教授は話す。「十分に効率的かつ安価になれば、将来は壁紙のように、ホームセンターで買ってきて貼っておくといったものになるだろう」
同様に、センサーやディスプレーや照明などが、壁や今後現れる新構造物の表面を覆うようになるかもしれない。
「これは現実的な話だ。かならず実現する日がくる」と、チャン助教授は語った。
[日本語版:米井香織/高森郁哉]
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