同僚に、アイという、トルコ人のおばさんがいます。

あと一年半で年金がもらえると言ってたので、65歳ぐらいだと思うからおばあさんと言った方がいいのかもだけど、いやあまあ、おばちゃんなんです。

 

私が入って一ヵ月ぐらいしたころかな。

アイは内臓系の手術を終えて復帰してきた。

出会いは12月後半とかそんなところかな。

 

色んな移民がいる中で、唯一半分アジア系。(私の中でトルコは半分アジア)

だから、初日から少しだけ他とは違うメンタリティを感じました。

でもね、私が生意気なのも素早く察知して、すぐに意地悪してきやがったの。

私はもう素早くボスのとこに行って指示を仰いだのよ。

告げ口なんか絶対せーへんけど、私のオーラにボスもビックリしたのか普段は無表情なボスがありったけの笑顔でつくろってくれたから気は済んだけどね。

生意気なとこがカチンとくるのはしょうがないとして、それでこっちが身動きとれん意地悪するなんてありえへんって本気で腹立ったの。

 

そっからアイは本能的にこいつはちょっと怖いって分かって私に対して少し敬意を持ち出した。

でもね、そこから1月2月、一緒に働きだして、私が先輩に必要以上に気い使えへんところとか、なんやったら仕事もできてボス顔してる二人のおばさんたちにもキレるときはキレるから、本当にずっと彼女の癪に触ってて。

いや、彼女だけじゃない、全員の癪に触ってる、私のそうゆうところ。

でも私、おばさんたちだけじゃなくて男にもボスにもキレるから、自分では全く間違ってると思ってない。

だってやられっぱなしでヘラヘラ働けるほど、私みじめな女じゃない。

 

3月に入ってドイツでもコロナが流行りだした。

みんな、自分の健康問題に不安になりながらも、職を失いたくないという防衛本能もおのずと働きだして、3月は本当にカオスな状態で。コロナ問題があまりに不透明な中、私も含めてみんな、ギリギリの精神状態で頑張ったように思う。

また書くけど、それこそイタリア人とかすごいしんどそうやったしね、自国があんな事態になったから。

 

私も3月とか、なんか、このまま内定もらえるんじゃ??ってゆう期待と、でも期待しすぎてパツッと切られたら余計悲しいし、プラス、コロナでほぼほぼ全員のメンタルが壊れかけてて(私だってやっぱり怖かった、コロナが)、すんごーくしんどかった。

 

アイを含めて同僚みんなね、私の境遇分かってたから。

シングルで両親もいない、仕事は真面目に頑張ってる。

それこそ内定もらえたらいいやんか、だから頑張りやって思ってくれてたと思う、ずっと。

でも私があまりにも頑固で、女や職場のヒエラルキーを本当に無視するから、この職場でそれはやっぱり通らんのちゃうかって、自分でも思ってたし、おばさん連中がなんとかそうゆうのも仕事の一部、、みたいな感覚を本能的に押し付けてたのも分かる。

だから私だって最初は敬意持ってハイハイ言うこと聞いてたし、全部に対して反抗なんてしてなかった。

給料は我慢料ってゆう三輪さんのお言葉をかみしめながら自分なりに頑張ってた。

そしてみんな、我慢して、やり合って、陰口たたいてそうやってずっと必死に働いてきてきた人たちやから、そこは本間にずっとリスペクトしてた。

 

でもね。ここは本間に、曼陀羅な職場やと思ってる。

病院の地下、キッチン。

ボスと副ボス、栄養士以外のドイツ人は半知的障害のような人。

だから移民の方が仕事ができたりする。

その中でも特に仕事ができるボス格は、優越感を隠そうともせず威張り散らして当たり散らして半知的障害のドイツ人に対しても私からしたらそれいじめやでってゆうような態度を平気でとる。

世の中そんなもんやって思ってるボスもどうかなあって思ってたけど、きっとどこに行ってもそんなもんやろなって思うし、半知的障害の人もドイツ人やから仕事できひんのに自己主張はするから、ボスだって態度が自然と悪くなる(笑)

しかもそうゆう人たちは移民よりも守られてるから、休みまくってもクビにならないから、休みまくって。(これは健康上の問題もあるから仕方ないことだけど、悪びれもせずに休むから嫌われるんやでって思うことも)

ボスにしたってそうゆうのの板挟みになってきついやろうなあって分かる。

シフトちゃんと確保しなあかんし。

でも私はそれこそ世の中ってそうゆうもんやってゆうか、ここはドイツなんやからそうゆう人が守られながら働くのは当然ってゆう意識はあるから、休みまくってるその人たちのことをつらつら言いまくる移民のおばさんの中にはやっぱり入れんかった。

半知的障害持ちながら頑張って働いてる人たちに、ボスならまだしも同じ立場の人間が当たり散らすなんて、その行為自体は恥ずかしいことやと思いながら見てた。

気づいてないだけやけどね、仕事ができる人は。自分はできるから同じ給料貰ってるできひん人をうとましく思ってしまう心理は分からんでもないから。

 

話はそれたけど。

アイは5年近くこの職場で働いてて、仕事ができる部類ではないから年下のボス格おばさんたちの機嫌を取りながら、もちろんそればっかりじゃないけど、それでも楽しく働いてきてた。

ボス格のおばさんたちも、物事がよく分かってないだけでいい人なのはみんながよく分かってるから。

なんなら頭いいからユーモアもあって、ムードメーカー的な役割も果たしてるし。そこはみんな、本間にリスペクトも感謝もしてる。善悪なんてない、そういう個性ってだけの話。

男も半分近くおる職場やから、そうゆうところでバランスは取れていたんだと思う。

みんなオンナやから、やっぱり男が混じるとなにかが薄れるの、ほんと。

長いこと働いてきてる人らばっかやから、みんなそれなりに個性を分かってて、適度に仲裁に入るし。

 

でもね、3月から状況が一変した。

みんながこの未知の状態に混乱しだして。

体調だってみんな悪くなりだした。

 

私もね、精神的にやばくて。眠りがすんごく浅く、短くなって、大丈夫かなって思ったりもした。

でもね、波動を落としたらそれこそ免疫力だって下がって余計危ないし、なんとか毎日ヒーリングとか除霊とかして乗り切った。

 

そして4月に入って内定をもらった。

この流れの中、疲れが抜け切れてないおばさんたちから、嫉妬、ネガティブ感情のオンパレードで、一番下っ端のくせになんか全てうまいこといって、なんなら仕事楽しんじゃってる私に対して今でもやっぱりネガティブ感情がすごい。

私だって色々疲れてるから、自分だって余裕ないし。本当に元気なときなら気にもならないけど、自分もしんどいから余計周りのそうゆうものに反応してしまう。ってゆうか、みんなが反応しあってる。

これは私がいてもいなくても一緒だと分かったからそこはどうでもいいんですが。

 

アイはというと。

他のおばさんもそうだけど、私を見る顔が、もう、見れないってぐらい怖くなってきて。

瞳孔は開いてる、口を開けばガミガミしか言わない。

言いたいだけだから、支離滅裂なこと言い出して、自分でも取り繕うのが必至になってきてたり。

 

無理もないなあとは思ってた。

11月に手術して、高齢で、タバコも吸ってて、そうゆう能力に長けてるからストレス感じながらもおばさんたちとも絶妙なバランスでうまいことやっていってる。

で、私のことをやっぱり心配も多分してて、言う事聞いた方がうまいこといくんやからってゆうのを示そうと頑張ってくれてたりもするから、余計に憎たらしくも思うってのもすごい分かって。

もう、お前が来たせいでこの職場の空気最悪じゃって態度を最近は隠そうともしなかった。

私もなんとか我慢してたけど、ここ何日かで二回ほど大げんかして、これはもう、自分の立場まで危うくなるって分かったから、意識して接触しないように気を付けてた。他のおばちゃんとも喧嘩して、おばちゃんたちもなぜか私のうまくいってまう体質を考慮して向こうから避けだしてくれてた部分もあるけど、アイだけはしつこくまとわりついてきた。

いや、アイの中にあるなにかが私を許さんかった。

 

昨日また、ガミガミ言われて。

二人で片付けと巨大食洗器を洗う担当やって。

言われて言われてちょっとまたウってなってて。でも気を取り直してパパっと片付け終わらせて、次なにしましょ~!!って言ったら。。。

 

『片付け終わったんか??』

『うん、終わった』

『いや、見てみい、終わってない。これがこんなところにある、籠だって台車に積み上げろ!!』

 

って、私からしたらどうでもいいようなこと言われて。

これってのはキレイにならんかったスープ容器が入ってるバケツで、別に変なとこにおいてるわけでもなかった。

籠もね、私としては別にまたあとから使ったりでいっつもキレイに積み上げられてるわけじゃないし、またあととからいかようにもできるやんかって。

アイにはキレへんかったけど、あいつ本間どつくからな!!ってブツブツ言いながら、その日の溜まったもんぶちまけるかのようにスープ容器やら籠やらおもっきり投げつけて怒りを表してたの。

 

私のあまりの怒りにアイも思わずこっちに来て。

横ではみんなレーンで夕飯配膳しながら絶対こっちに意識むきまくってるから、アイも怒るに怒れず

 

『なお、私の目を見なさい。』

クソババアが、他に人間おらんときはそんなことたったの一言だって言ったことねーよ!!

 

『スープ容器はな、ここにこうやって置くんや。で、籠は台車にこうやってキレイに積み上げる。それが終わったらこれとこれで、ここを吹きなさい』

 

私は言いたいことぐっとこらえて。いやいやだって、スープ容器置くとこんなんて決まってないしって言い返したいことはあったけど、話が終わらんうちから拭き掃除しだして、娘ほど年の離れてる女におもっきしメンチ切られて若干弱りながら私が吹き掃除するためのオイルを食洗器に撒いてるアイ見てなんかふと、なにかが切れたの。

で、久々に甘えてみた。

 

『アイ、そのオイル、ここにもかけて』

 

アイは、しょうがないやつよのうって、ため息つきながらオイルかけてくれたわ。

 

でね、拭きながら思ったの。アイは確かに当たってくるけど、言ってることは、きっと他の何人かも思ってることやって。真面目にはやってるけど、なんか最後まで終わらせきれてなくて例えば籠の積み方ちゃんとしてないとか、そうゆうことに不満持つ人って、絶対いてるやんかって。

私、おばさんみんな言い方悪いし日常的にこっちの癪に障るような意地悪平気でしてくるからそんなことされてどうやって言う事聞ける??なんて思ってたけど、ちょっと申し訳なかったなあなんて反省しながらめっちゃ拭き掃除頑張ったの。。

 

じゃあアイも心打たれてくれたんか、私に対する邪気がすーーーーーっと消えてね。

その後も、その後の休憩でも、魂が抜けたかのように穏やかになったの。

 

んで、休憩中。

掃除担当のトルコ人のおばちゃん、ドイツ人の勤務歴45年のヴェロニカと4人で話してて。

 

2,3日前かな。アイと、もう一人の60歳ぐらいのおばさん、ルチアが8月で退職するって人づてに聞いたの。

急やったけど、アイもルチアも最近特に私にきつい感じしたし(みんなやけど)あんまり深堀りしなかった。

もともとそうゆうタイミングやったんかなあって思ってただけで。

 

で、休憩中にね。いつもキーキーキーキー、トリみたいに話すベロニカがなんか、やたらとアイに気を使ってんの。

キオスク勤務のおばさんがタバコ吸いに来て話してて聞いたら、年金もらえるまであと一年半あるのに8月で退職するとゆう。

思わず、なんで~??って聞いたら、

『お前らとケンカばっかりして疲れたんじゃ~!!』って。(私以外ともやり合ってるから、ちゃんとお前らって言ってくれたあたり、アイはよく分かってる)

私、はいはい、それは申し訳~みたいなかんじで笑って過ごして。

でもまあ、この状況で、高齢で、トルコで住むって言ってるし、ほんまにしんどそうにしてること多くなってきてたし、それはそれでいい決断やで~と思ったりもしてて。

旦那はもう年金もらってるし、私が定年退職するの待ってたんや~なんて言ってたし。

コロナの、健康問題も考えて決めたんやろなって思ってたの。

 

でもね、帰ってきてからふっと感じて。

アイもルチアも、派遣切りなんちゃうかって。

同じ8月で退職やし。ルチアなんか、昨日ロッカーで着替えてた時に、自分は子供もおらんしフルタイムで働くぐらいがちょうどいいんやなんて言ってたし。だから、自分から退職しますとは言わない気がする。

私は誰が正社員で誰が派遣でって全員のことは知らんけど、派遣で働いてる人がいるってのは聞いたことがあって。

3月に押し合いのケンカして、事務に呼び出しになったイタリア人とウクライナ人のおばさんがいて。

仕事ができひんイタリア人のおばさんが急に気落ちしたから、他の同僚に、クビになるか不安なんちゃうかって言ったら、彼女は勤務歴が相当長いから、退職金も相当払わなあかんしクビにはなれへんよって聞いて安心してたけど。

 

私やっぱり、ちょっと辛くなってしまって。

病院側は、結局人をいれても長く続かんから派遣も合わせつつ雇用してたんやと思うけど。

このコロナの件以降、ドイツの雇用形態も変わってきてるところがあって、3ヵ月周期でフルタイムでもアルバイト契約ができるシステムみたいになったみたいで。これは、ドイツ語でさらっと聞いただけの話だからしっかりとは分かってませんが。

病院側がどんな理由でそうしたかはきっと私が加入したからだけの理由じゃないと思うけど、確実に、私が健康で、欠勤だってしたことないし、長く働けると判断したから私を正社員にして、派遣の人を切ったのは大きいと思う。

その都度足りひんときは、短期雇用できるし。

 

なんか、私をちやほやしてくる男性陣までもが、なんか私にフラストレーションぶつけてくるときがある理由が分かった気がする。

みんな、分かってて、長年働いた自分や同僚に対して生意気で、私は悪くないもんって言い張ってる私に、何かが許せんかったんやなって。

でも、みんなが私の個性を分かってくれて、見守って応援してくれてた。

そこは本間に、なんてゆうか、人間て優しいなとしかいいようがない。

 

アイに関しては、余裕をなくしすぎて本間に行き過ぎた態度を何回も取ってしまったこと、社会人として情けなく思う。

みんな、やり合いながらも優しさとバランスを保って病院の地下で働いてきたんだ。

なにされたこれされたって、被害者意識ばっかり持って他人を思いやる優しさをなくしてしまう私は本当に大馬鹿者だ。

周りも大馬鹿してるから、自分も周りも責めへんけどね。

 

今日からまた、もっと他人に優しくできる人間になれるように、頑張って働きに行ってきます。

やられたらさくっとやり返して、絶対にルーシーはここに必要な人間なんやって根っこの部分からみんなに納得してもらえるように、元気に頑張っていきます。

 

アイが私に愛を教えてくれた。

8月まで、多分またケンカもするけど、とりあえず籠だけは、キレイに積み上げることを意識してやっていくよ!!

アイと一緒に働けることを感謝しながら、むかつきながらやっていく。

でも、次またお前が空気壊してんじゃなんて波動出してきやがったら、それは跳ねのけるからそのおつもりで!!