今回は嚥下とあまり関係のない話ですが…
先日、入院患者様と一緒にスーパーキッズオーケストラの演奏を聴く機会があった。
演奏終了後、1人の失語症患者様が立ち上がれないほど感動して涙を流していた。
落ち着いてから詳しく話を聴くと
「この病気になってから、ことばだけでなく、感情など色んなものが自分の中から失われた気がしていた。今日素晴らしい演奏を聴いて心が震えた。具体的に何かは分からないが、失われていた何かを取り戻した気がする。これからの人生を歩んでいく励みになった。」
という旨の話を、喚語困難や錯語を頻発させながらも時間をかけて必死で伝えてくれた。
上の内容を理解するのに20分以上かかったが、それでも諦める事なく私に伝えようとしてくれた。
私はもちろん演奏にも感動したが、それよりもその方の伝えようとする気持ちに胸がいっぱいになり目頭が熱くなった。
スーパーキッズオーケストラの演奏に心が震えたのはその患者様だけではないだろう。また、音楽だけでなく景色や動物など心を揺さぶるものは人それぞれでもある。
毎日でなくても良い。むしろ毎日じゃない方が良いのかもしれないが、患者様の心が震えるような関わりが出来るようになりたいと思ったし、患者様と取り組むリハビリテーションが機能だけでない"何か"を取り戻すきっかけになれば嬉しいと思う。
