第4回かもめ企画「しおさい」公演情報

テーマ:

第4回かもめ企画-しおさい-エンゲキプロジェクト『セチュアンの善人』より

 

【原作】
ベルトルト・ブレヒトセチュアンの善人より)

【演出】

鈴木史郎(A.C.O.A)

【日時】
2018年10月6日 (土) 15:00~
2018年10月7日 (日) 15:00~
2018年10月8日 (日) 15:00~

【料金】
前売  一般 2,500円  学生 2,000円 高校生以下 1,800円
当日  一般 2,800円  学生 2,300円 高校生以下 1,800円

【会場】

静浜亭
(新潟市中央区関屋浜)

■観劇日:2018年10月8日(月・祝)15:00〈上演時間:約1時間40分〉

「水と土の芸術祭2018」市民プロジェクト参加作品。
かもめ企画は、2012年10月「水と土の芸術祭2012」での「ニイガタ◇水揚場版 ジョン・シルバー」から始まって、2013年10月のみずつち文化創造2013かもめ企画-みずつち 発見と創造の演劇プロジェクト-「どんぐりと山猫」&「霧笛」、2015年の第3回かもめ企画-みずぎわだつ-エンゲキプロジェクト「徒言XY、いくつかの気配、そして珈琲と。」&「血は立ったまま眠っている」と続いてきた市民プロジェクトだ。既成の劇場ではなく、水揚場の特設スペースや浜茶屋(海の家)を会場に、生演奏、歌、ダンスなどと一緒に劇空間を作り上げるスタイル。ずっと劇団A.C.O.A.の鈴木史朗演出だと思う。鈴木史朗といえば、私にとって忘れられない公演が、2011年10月のA.C.O.A.新潟公演「共生の彼方へⅠ-霧笛-セッションバージョン」(会場:五十嵐劇場)だ。鈴木史朗(当時はスズキシロー)の一人芝居「霧笛」(レイ・ブラッドベリ)に、鈴木正美のサックスが競うように被さり捻じれ。身体と音のセッション、その緊迫感と高揚感は、まさに至福だった。あの高揚を再び味わいたくて芝居を見続けているといっても過言ではない(この作品だけではないけれど)。
前作「血は立ったまま眠っている」は、浜茶屋の一階と二階で舞台が同時進行するという凝った作りだったが、一階にいた私の「二階が見られない」イライラを払拭するほどのパワーはなく、凝り過ぎという印象が残った。

で、今回の第4回かもめ企画 エンゲキプロジェクト「しおさい」(『セチュアンの善人』より)。不勉強極まりない輩なので、「セチュアンの善人」は今回初めて見た。一夜の宿を断られ続ける様子はイエス・キリストの生誕劇を思わせるが、“現実”はそれで終わらない。金銭的な貧しさが心まで貧させるさま、そして、心のままに行動することが負の連鎖を引き込むさまは、見ていて辛く、胸が痛いが、その痛みは徐々に嫌悪感に変化する。感情移入させない演出なのだとは思うが、主人公シェン・テの葛藤が今の世にも通じる矛盾を照射するだけでは、「だから、何?」という思いが居座り続ける。物語の時代から、世の中はちっとも変わってない。演者の向こうには青空が見え、その下に海があることを感じつつ、しおさいを聞きながら見る舞台は開放的なはずなのに、心は解放されない。生演奏と歌、ダンスのようなシーンもあり、祝祭劇の趣きもあるが、私の心は置いていかれたままだ。青空と、寄せては返す波の音と、社会の閉塞感。この相容れなさが、本作の見どころだったのだと思う。
惹きつけられたのは、熊川ふみとマスクマン(鈴木史朗?)の、柔らかくしなやかな身のこなし。このしなやかさが全員にあったら、印象はもっと違ったかもしれない。


文責:市川明美
 

■観劇日:2018年10月8日(月・祝) 15:00〈上演時間:約1時間39分〉


率直に言ってしまうと、座った席のせいもあって非常に疲れた公演だった。お客様に絡む演出が多用されていて、出演者が目の前に来て話しかけられたり、手を握られたり、自分にとっては緊張感の絶えない公演だった。また、観劇前の説明で「上演時間は約2時間です」と聞いて、「桟敷で2時間か…」と思ったのは自分だけではないはず。客席も3面にわかれていて、正面に座った方は、海をバックに開けた舞台が展開され、心地良い気分を味わえたかもしれないが、サイドの席に座った自分は、対面の席のお客様の反応や壁面の貼紙など雑念が多く、なかなか集中できなかった。

さらに加えるなら、自分は演劇を観劇する際、「人間ドラマが展開されているか」に注目している。これは、登場人物が、誰をどのように思っているか、その内容が観客に適切に伝わっているかということであり、人間ドラマがリアルタイムに展開することが演劇の醍醐味の一つだと考えている。そして、誰がどのように思っているかの判断をするとき、自分は役者の目を見て判断しているようだ。「目は口ほどに物を言う」という諺があるが、目を見ることによって、きちんと会話が成立していると、本能的に様々なことを感じ取れるのだろう。余談だが、最近、新潟ではきちんと会話ができている劇団が少なくて残念だ。

自分が座った桟敷席からは、主に役者の腰のあたりしか見えなくて、確かにセリフは響いてくるのだが、肝心の人間ドラマを追いきることができなかった。更に言えば、歌あり、身体表現ありの作品にしては、会場が窮屈に感じられた。もっと広い会場でダイナミックに上演した方が、観劇後の爽快感が高まったのではないだろうか。今まで、かもめ企画さんの作品は何作か観させていただいているが、今回の作品に関しては、会場を関屋浜にこだわらなくても良かったのではないだろうか。

しかしながら、出演者の演技や身体表現のレベルは非常に高く、生バンドとのコラボも楽しく、新潟ではなかなか観ることのできない古典を題材にした作品であり、クオリティーが高かった。その分、本来のパフォーマンスが十分に伝わってこなかったのが悔やまれる。

文責:逸見友哉

Accendere 第3回公演「太陽」

【作品説明】

旗揚公演「半神」、第2回公演「プルーフ/証明」を経てAccendereが次に挑むのは、
新潟県出身の劇作家 前川知大による戯曲「太陽」。
昼と夜に別れてしまった近未来の世界と、そこに生きる人類を描く寓話的群像劇。乞うご期待!


【作】
前川知大

【演出】
石川直幸+Accendere

【日時】
2018年8月24日 (金) 19:00~
2018年8月25日 (土) 14:00~/ 19:00~
2018年8月26日 (日) 14:00~


【料金】
前売  一般 2,500円  高校生以下 1,000円
当日  一般 3,000円  高校生以下 1,500円

※全席自由


【会場】
りゅーとぴあスタジオB(新潟市民芸術文化会館)
(新潟市中央区一番堀通町3−2)

Accendere「太陽」劇評(市川)

テーマ:

■観劇日:2018年8月24日(金)19:00、26日(日)14:00

昨年、「プルーフ/証明」で実力を見せつけたAccendereの次なる挑戦。柏崎出身、前川知大さんの作品で、映画化もされている「太陽」(舞台も、入江悠監督の映画も残念ながら未見だが)。これは期待せずにはいられない!

というわけで、初日と楽日の2日間、りゅーとぴあ・スタジオBに足を運んだ。
初日を見ての第一声は、とにかくスゴイ!のひと言。舞台に漂う緊迫感と、いらだちと、救いようのない悲しみ。役を生きる俳優たちの醸しだしたそれらが、キリキリと胸に迫ってくる。人類は、文明は、こんなにも行き止まりなのだろうか。一筋の光が、ノクスから生まれたノクスである森繁(内藤陽介)の真っ直ぐさと優しさ。そして、迷走しながらも子どもから大人へと成長を遂げる、旧人類(キュリオ)の鉄彦(高田遼太郎)。

初日に一番注目したのも高田だったが、楽日の最後の最後、森繁の方へ一歩踏み出す鉄彦は、一回り大きくなったようにすら見えて、驚いた。舞台空間を圧する存在感。もしかしたら奇跡の一瞬だったかもしれない。

緻密な世界観と展開の巧みさに舌を巻きつつ、登場人物から目が離せない。
ノクスの怖さを余すところなく見せつける玲子(吉田わかな)。自らを懸命に律しようとする征治(後藤忠彦)。すべてわかってしまい、自分の道を正しいほうへ戻そうとする金田(石川直幸)。
新潟を思わせる、田舎の息苦しさ。強さを内に秘めた純子(先川史織)。少し背中を丸めたその歩き方・立ち方が、村の閉塞感を強く伝える。村の男そのままの立ち居振る舞いから、娘を、村を、そして愛しい人を大切に思う気持ちがにじみ出る草一(平田セイイチ)。父の悲しみ。選択。それでも、「生きている」ほうがいいのだろうか…。克哉(山田好宏)は怖すぎ(=上手すぎ)。ここまで手前勝手な人間を表出されると引くけど、本質的にこういう人間はいるのだと思う。楽日の克哉には少しだけ人間的な弱さを感じた。
聡明な結(飯塚陽)。なぜ彼女はあの道を選択したのか。ここがとても引っかかった。行ってみたいと思った土地へ行きもせず、人の話で絶望して自分の進む道を決めた結。すごく皮肉で批判的な展開だ(現代の事象を思わせる)。それほどに母の存在は大きいのだろうか。ノクスになったあとの演技の変化が素晴らしい。

舞台を二つに分けて、交互に話が進行する場面が多い。しっかりした照明が各場面を際立たせる。

それは進化なのか退化なのか。病なのか治療なのか。
萩尾望都の『ポーの一族』や『スター・レッド』、小野不由美『屍鬼』、半村良『石の血脈』などなど、様々な作品を連想。知的好奇心を大いに刺激される舞台だった。
話の中にどっぷりと浸かれるのは、Accendereの舞台作りに危なげがないからだ。

文責:市川明美
※原稿の締切を大幅にオーバーしたことを、ここにお詫びいたします。

Accendere「太陽」劇評(逸見)

テーマ:

■観劇日:2018年8月22日(水) 19:30ゲネプロ〈上演時間:約2時間〉
※ゲネプロ:演劇などの舞台芸術において、公演の本番間近に本番同様に舞台上で行う最終リハーサルのことを意味する

昨年の「プルーフ/証明」の好演を経て、最新作が注目されていたAccendereさんの「太陽」のゲネプロを拝見しました。どうしても本番を観劇することができず、部外者である私にゲネプロを観せて下さったAccendereの皆様に感謝申し上げます。

「-進化か 

  -病か」

「太陽」を中心として、まさにこのサブタイトルの通りの内容だった。大まかにストーリーを説明すると、吸血鬼的性質(年も取りにくく長生きだけど、太陽に当たると死ぬ)に変化を遂げてしまった「ノクス」と呼ばれる人種と、我々と同じ通常の人間「キュリオ」と呼ばれる人種が、どのように共栄していくかという話になる。自分自身、日頃は地下に籠って仕事をしている身なので、太陽が苦手なノクスが、気が気ではない。非常に人間ドラマ溢れる作品に仕上がっていた。新潟でこのクオリティの作品が生み出されたということに賛辞を贈りたい。

一方で欲を言えば、自分が演劇を観る際に求めていることの一つである「真新しさ」は欠けていたように思う。会場であるスタジオBをあれだけ使いこなせるカンパニーはそうないと思うし、その点は素晴らしいと思うが、演出は全体的にオーソドックスだった。あえて、王道を目指した部分があると思うが、ちょっと東京まで足を運べば、このレベルの作品は多く見受けられる。どこかの漫画で「一流のシェフは、お客様の要望を満足させる料理を作り、客は欲求を十分に満たされる。超一流のシェフは、客が予想もできない料理を作り、客はまさにこれこそが求めていたものだ!と気づき驚嘆する」という件があったけど、まさにAccendereは一流であった。しかし、今後、新潟演劇を牽引していくリーディングカンパニーとなるのであれば(少なくとも自分はそうなって欲しいと願っている)、新潟でしか観ることのできない作品を創り、超一流を目指して欲しい。

最後に、自分の観た回がゲネプロであったことが悔やまれる。おそらく、上述した点も、お客様という最後のスパイスが加わることによって、舞台に一体感が広がり、また違ったものになっていたかもしれない。演劇はお客様あっての芸術なのだということを改めて認識しました。

文責:逸見友哉
※劇評のリリースが大幅に遅れたことをお詫び申し上げます

【作品案内】
今回は、異なった内容の二本立て公演。人々の心の動きや悩みに
真剣に向き合ったお芝居に、D-Soul らしいダンス、歌のテイストを織り交ぜた作品です。

『4(for) Angels 』〜この世界のどこかで降る雪に〜
出演

藤崎 舞 ( S×S )
森野 翠 ( S×S )
晴とワ (うるさい奴ら)
センニイナホ (うるさい奴ら)
司山 園美 ( 創作表現集団D-Soul )
 

Dance Act
SHOW!国際音楽・ダンス・エンタテイメント専門学校 ダンスエンタテイメント科

『普通の愛』~ What is love ? ~
出演

本間智 (劇団マジカルラボラトリー)
末永 優 (フリー)
井上 晶子 (演劇くらぶ葛の葉)
加藤 妃奈子 (フリー)
司山 園美 ( 創作表現集団 D-Soul )


【脚本・演出】
Kazuse(二作品とも)

 

【日時】
2018年6月30日 (土) 13:00~/ 17:00~

2018年7月 1日 (日) 13:00~/ 17:00~


【料金】
前売  一般 1,000円  学生 500円
当日  一般 1,500円  学生 800円

【会場】万代市民会館4F大研修室

(新潟市中央区東万代町9−1)

※作品のタイトルがブログのタイトル欄に入りきらなかったため、一部省略させていただきました。ご了承下さい。

■観劇日:2018年6月30日(土) 17:00の回〈上演時間:約2時間〉

約1時間の公演の2本立て。最初の「4Angels」は、日頃から歌やダンスで自己表現をしている若い女性たちがメイン。私にとってあまり馴染みのない世界に触れることができた。お話はグループ内の力関係や、グループとしてやっていくことの難しさを描いている。自己が確立していなくて、人も自分も信用できなくて。幼さと背伸び。この心の揺れは、実は、大小や慣れの差はあれ、一生付き合ってゆく感情だ。だから、親子以上に年の離れた私も感情移入できてしまう。
皆さん、歌が上手くて驚いた。アカペラでちゃんと聴かせてくれる。好感を持ったのは、自己陶酔をあまり感じさせなかったこと。ちゃんと聴き手を意識している。
登場人物たちの名前は、ミカ、ラファ、ウリエ、ガブ。四大天使とは大きく出たなぁと、少し笑ってしまったが、悩み多き等身大の天使も悪くない。

最後まで言わない、それでわかる(伝わる)者同士の会話が続く。見ているほうは予測しながら、話を追う。でも、最後まできちっとしゃべって、終わってから次の人がしゃべる、なんて、現実世界ではほとんどない。意識して聞いてみるとすぐにわかるはず。人は思った以上にあいまいな会話をしているものだ(座談会やインタビューを原稿化してみるとよくわかる)。

休憩を挟んで、2本目「普通の愛」。
「4Angels」と同じく、肝心なことを言わない思わせぶりな会話がポイント。前半は、一人の男(真次)が、順に三人の女と対峙する場面が続く。婚約者・美雪。かつて思いを寄せていた、先輩の妻・忍。困難を共に乗り越えたことのあるらしい、年下の女・渚。過去に何があり、いま何が起こりつつあるのか、考えながら会話に耳を傾ける。繰り返しに思える場面から、少しずつ関係の変化が伝わる。水面下のヒリヒリ感が堪らない。
観劇後、ツイッターなどで、男を「クズ男」と表現している書き込みを読んで、驚いた。手前勝手なところはあるが、男はどの女に対しても真摯だったと思う。むしろ、婚約者と先輩の妻の異常さに疑問を持った。だが、男が「グズ」だったのは、確か。彼がもっと迅速に巧妙に動いていたら、その後の悲劇は起こらなかっただろう。
後半、いきなり男が殺され、ミステリーになる。これには驚いた。場面は犯人捜しのための、警察での尋問に変わる。そしてラストは、東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』を思わせる作り。まさか、ラストまで「言わない」を通すとは! 唖然とし、もやっとしつつも、作者の挑戦的な姿勢には爽快感さえ覚えた。家に帰ってから白い紙にあれこれ思いついたことを書き出してみた。私は、推理小説に「読者への挑戦状」があったら、なんとか解きたいと考える人間だ。この場合は「観客への挑戦状」。あれこれ考えるのは本当に楽しい。明快に解けたわけではないが、私なりのおぼろな想像の物語は立てた。伏線は無数にある。鍵は、見つからない「忍の夫」「真次がコンビニで買ったガムテープ」。そして「腹と背中の刺し傷」。犯人は忍と美雪の二人ではなかろうか。共犯ではないけれど。

ここまで物語に入り込めたのは、演者の力も大きい。
会場は大研修室。しつらえられた照明は簡素で、赤や青など原色のままの照明が目に痛かった。音楽(選曲)もいささかチープ。でも、そういうのは正直、あまり気にならない。

実に面白い公演だった。

文責:市川明美
 

■観劇日:2018年7月1日(日) 17:00の回〈上演時間:約2時間15分〉

 やりたいことをやれる範囲で、実現するということは本当に難しい。この企画を実現したことは素晴らしいことだと思うし、誰にでもそうできることではない。やりたいことをやっている人たちの活動を否定する気は毛頭ないが、本公演を観ていて様々な疑問が残った。
 

 なぜ会場が万代市民会館4F大研修室なのか。予算の都合とか自分たちが日頃活動している拠点なので使用しやすいとか、俳優の日程の都合とかいろいろな理由があるだろうが、6Fのホールで開催した方がもっと良いパフォーマンスを引き出せたと思う。大研修室感を払拭すべく、トラスを組んだり、照明にLEDを取り入れたりと、その努力は十分に理解できるが、どう頑張ってもそこが会議室であることは否めない。そして、客席が非常に見づらい。特に「4(for) Angels」のダンスや歌は非常に良かったのに、その良さが十分に発揮できていなかったことがもったいなかった。やりたいことをやる中で、他者に何か伝えたいメッセージがあるのであれば、もっと工夫しなければ伝わらない。その工夫の一つとして、会場の選定は一考して欲しい。企画の段階でお客さんと出演者がwin-winになる公演を心がけて欲しい。


 「普通の愛」は全体的な演出、出演者にどこか余裕が感じられる芝居であった。ギリギリを攻めている感じを受けなかった。演劇には、瞬時に場面を切り替えることができるという醍醐味があるが、ブルーの照明の中転換を行ったり、場面が切り替わるたびにBGMが流れたりと、雰囲気はあったが効果的ではなかった。大研修室だから完全暗転が取れなかったのかもしれないが、同じ場面の繰り返しのように感じられ、メリハリがなかった。「普通の愛」には、演劇歴10年くらいの中堅クラスの俳優さんたちが出演していたが、自分のパフォーマンスに納得していたのかを問いたい。長く演劇をやっている人たちなので、押さえるべきところはしっかり押さえて、きちんと作品に仕上げていたのは流石だと思う。しかし、向上心を忘れて欲しくない。一つの公演に懸ける生き様が観たい。確固たる芯をもって欲しい。いつまでも次の公演が控えているわけではないし、いつまで演劇をやれるかもわからない。そんな状況の中で、必死に生きて欲しいとは思うが、趣味の範囲で演劇をやっている人たちにそれを求めるのは酷な話なのだろうか。やれる範囲でやりたいことをやるには限界があるのはわかるが、その中で極値を目指して欲しい。

文責:逸見友哉

【ストーリー】
2031年の世界、個人の意識をネット内のヴァーチャルな世界に入れるシステムを手に入れていた。
そこでは、自分の設定したアバターを操り、本物の世界と見間違える様な暮らしができるのだ。
ある日、あるヴァーチャル・ワールド内に大きな爆発音が鳴り響いた。その瞬間からその世界にいる人達は、外の世界に出る(ログオフする)事が出来なくなってしまう。
ヴァーチャル・ワールドから出れない為に暇をもて余していたセレナは、ふらりとラーメン好きの集まるチャット・ルームに入り、ジニーと運命の出会いをする。しかし、その間にも世界は崩壊への道へと突き進んでいた。
果たして二人は元の世界に戻れるのか? そして、突然現れた謎の女性エマの正体とは?

【作・演出】
二瓶光

 

【日時】
6月23日()13:30開演
6月24日()13:30開演
※開場は開演の30分前

 

【料金】
一般    前売1,800円    当日2,000円
学生    前売1,000円    当日1,200円

 

【会場】

新潟古町 えんとつシアター

(新潟市中央区東堀通6-1051-1 G.E ビル地下1階)