昨日、司法研究報告書が公表されて養育費(child support)等の算定表が改定されたということで説明会に行ってきました。
 
旧の算定表が発表されてから16年ほどが経過し社会実態が変化してきていることや成年年齢の引き下げなどが背景にあります。
 
改めて算定表の成り立ちについて勉強しました。
 
給与所得者と自営業者で基準が違う点についてはもともとそうだったのですが、これは、給与所得者の収入には職業費が含まれているのに対し、自営業者の収入は職業費が経費として控除されたあとの収入である点が違うからですね。
 
給与収入1000万円が自営収入761万円換算ですからだいぶ違います。旧算定表では、給与収入1000万円が自営収入710万円換算でしたから、改定されて職業費などの部分がちょっと圧縮されたようです。
 
職業費としては、世帯支出のうち「被服及び履物」「通信」及び「書籍・他の印刷物」を世帯人員で割り、仕事をしている人数をかけたものを職業費としています。これまでは、「被服及び履物」だけはこのように仕事をしている人数を考慮して計算していましたが、「通信」などは丸々職業費にしていたので、子どもの携帯代も職業費にカウントしていることになっていたようです。
 
専門学校を含めた高等教育を受ける人が8割を超えたことや高校進学率が100%に近づいたことなどから、成人年齢が18歳に引き下げられることは直ちに養育費の終期には影響しなさそうです。
 
新しい算定表その他関係する資料は裁判所のホームページに掲載されています。
http://www.courts.go.jp/about/siryo/H30shihou_houkoku/index.html
 
0~14歳の子どもがいる場合、養育費をもらう側に有利に改定されています。

全体に養育費をもらう側に有利な改定で、減る場合はありませんが、15歳以上の場合は増え方がちょっとだったりあまり変わらないところもあります。
 
基準が変わることで有利不利がでてきますが、必要な改定であるため、裁判所としては当事者に丁寧に説明して理解を求める努力をしているようです。