組織の中でなにか問題が発生すると、その問題を二度と起こさないためにはどうするか、という議論が必要になる。
ここで、その問題の直接の原因となったものを封じ込める規則を制定することは、必ずしも問題の解決に通じるわけではない。
例えば、今日本には「非正規雇用と正規雇用の賃金格差」という問題がある。
同じ労働をしているのに非正規雇用だというだけで賃金が下げられ、また身分が保証されない。
これが問題だというのは多くの人の賛同するところだろうが、だからといって単純に「非正規雇用を禁止にする」というルールを作ったらどうなるか。
企業がリスク低減のために切りやすい非正規雇用を雇っているとすれば、非正規雇用という身分をなくしたら、企業にとっては気安く人員の追加がおこなえなくなる。今景気がよくて正社員を増やしても、それが将来負債となるかもしれないからだ。そうなれば、雇用を増やして会社を大きくするマインドが低下しかねない。
「非正規雇用を減らしたらそもそも雇われなくなった」となっては意味がない。
原発が事故を起こしたからといって単純にすべての原発を廃炉にしたら、電気代が跳ね上がって人が死ぬかもしれないし、火力発電に依存しすぎたが故に大型の火力発電所が事故を起こすと大規模な停電を引き起こすようになるかもしれない。
これも、単純な解決策がいい結果を生み出すとは限らない例のひとつ。
ルールが意図する理念を実行することが最大の目的であって、よかれと思って策定したルールが逆効果になることはよくあることだと意識する必要がある。
