――AI時代のキャリアデザイン入門

ChatGPTを使っていて気づくのは、
AIは「答え」よりも「問い」に敏感だということです。

曖昧な質問をすれば曖昧な答えが返り、
具体的に問えば、深い返答が返ってくる。
それはまるで、自分の思考の輪郭を映す鏡のようです。


「好き」は思考の最小単位

楠木建さんはこう言います。

「好きなようにしてください」
― それが最も合理的な働き方だ。

この言葉をAIに投げてみると、
「好きなことをどう社会と結びつけるか」という整理が自然に始まります。

ChatGPTに「自分の好きなことは何か?」と聞くよりも、
「なぜそれを面白いと感じるのか?」を掘り下げてみる。
すると、思考の核が少しずつ見えてきます。


AIとの対話は、“思考の外在化”である

頭の中で考えていることを文章にしてAIに渡すと、
その瞬間、思考は自分の外側に出ます。

ChatGPTの返答は、
自分の曖昧な考えを構造的に整理してくれる“編集者”のような存在。
たとえ結論が出なくても、
「自分はこの部分を曖昧にしていたのか」と気づくだけで前進します。

つまり、AIとの対話は思考のリハーサルなのです。


「好き」はAIが定義できない領域

AIは、過去のデータから最適解を導き出す。
けれど、「何が好きか」は、未来にしか存在しません。

AIは“好き”を決めることはできませんが、
“好き”の輪郭を言語化する手助けはしてくれます。

ChatGPTと話すうちに、
自分がどんなテーマで時間を忘れるか、
どんな質問にワクワクするかが浮かび上がってくる。

それは、感情をロジックに変換するプロセスです。


「好き」を起点にキャリアを再設計する

AIが得意なのは、整理・分解・分類。
けれど、その前提を与えるのは人間です。

自分の「好き」を軸にChatGPTに相談すれば、
行動計画や選択肢は具体的に出てくる。
反対に、「安定した職業は?」と聞けば、
平均的な答えしか返ってこない。

問いの方向が、人生の方向を決める。
だからこそ、AIと対話するときも“好き”を出発点にすることが重要です。


結びに

ChatGPTは、キャリアの“答え”をくれるツールではなく、
自分の中にある問いを整えるツールです。

自分の「好き」は、誰にも決められない。
でも、その輪郭を明確にすることはできる。

AI時代のキャリア設計は、
“効率”ではなく“納得”から始まります。
ChatGPTとの対話は、その第一歩になるのです。