最近、大学院の修士課程の人が「医学部を受験する」といって休学してしまった。実験データは順調にとれており修士卒業はこのままいけば問題ないであろうとう状態だった。





不景気?といこともあってか医学部の再受験者が増えていると聞く。昔から仮面浪人とかいって再受験は盛んであったが、現在、医学部の学士入学を行う国立大学が増えたため拍車をかけているのかもしれない。





その人は修士課程1年目である。修士課程は2年で修了、休学しても3年間で修了の規則になっている。2年後に教室が残っているかも分からない状況である。センター試験まで5カ月である(彼は一般入試でチャレンジするとのこと)。実験しながら受験なんてできないと考える気持はだれにも抑えることはできないだろう。残念ながら近年、地元枠や学士枠が増えて一般枠の募集人員が減ってしまっている。





彼が優秀か?といえばどちらかといえばそうではないほうに見える。しのぎを削る国立医学部受験は多々困難があるようにも感じるが「ダメだろう」とは絶対に言えない。医師に向いてるかといえば「向いてないかな」と自分は思う。でも法医学や病理医、保健行政もあるから医師には行ける方向はいくらでもあるから本人の自覚しだいであろう。彼には自分の現状に対する不満や不安、周囲からの評価に対する自分のプライドとの摩擦とかあるのだろうなと私は感じてはいます。でも受験の理由は人それぞれで何だって構いません。





検索すると医学部再受験のブログや相談内容のサイトが沢山あります。大変に崇高な理想や医療論を語っている受験生が多いですがあまり合格とは相関しないと感じます。再受験合格者4人の経緯をみたことがありますが黙々と前に進んでいきます。自分の理想に酔わず、まずは入学して下さいというのが率直な印象です。





話は飛びましたが、この時期に受験するか?考えてしまった。7ヶ月後に受験に失敗したときに休学、就職活動、受験への未練…が彼には残る。ここでさっぱり切り替えができて就職活動ができるなら問題はないかもしれないが多くの医学部再受験者は違う。おそらく来年もチャレンジするだろう。では来年合格するか?といえばそんな保証はない。休学2年目は医学部からみたら心象が悪い。ダントツの成績なら全く問題ないが、現役やきちんと修士や博士課程を卒業(見込み)の者と同じレベルのラインであればおそらく落とされるであろう。





地道に勉強しながら修士課程を卒業してから学士入学や一般入試にチャレンジするのが一番無難なような気もする。一番いいのは在籍という保険をかけて受験するのが一番よい。でもこれはかなり大変なことであるとは思う。 周囲からみればこうした方がいいと思っても当の本人はもういてもたってもいられない気持ちになるのでどうにもならない。自分で選ぶリスクではあるが泥沼戦にならなければいいが…と願うばかりである。





どこで撤退するかは難しい問題です。


人や世界の役に立ちたいし、それなりのキャリアやポジションも得たいと考えており、さらに英語ができるなら(英語だけ勉強なら受験より楽とおもいますが)外務省の国際機関への就職斡旋の試験を受けてみるのもいいかもしれません。国際平和、難民、保健や経済再建など分野は多彩で要人とからみながら仕事ができます。35歳までだったと思います。外務省HPの国際機関で働くのページを参照してください。





一般的に再受験者のみなさんにアドバイスしたいのは大学にこだわらず、自分にとって一番有利な科目の大学を選んで受験してみようということです。医学部は職業学校みたいなところだからまずはどこでもいいから入学して医師免許をとるということを一番に考えて受験校を選んで欲しいと思います。