みなさんこんにちは、nicoです
本編の前に、個人的な都合で更新が遅れたことをお詫びします。では、麒麟と蛇のパズドラ日記3日目です。
サクヤ「さて、あと一人……」
サクヤは酒場を見回す。
火、水、木、光の4色は揃ったが、やはりパーティーは自分含め5人欲しいところだ。
???「ヴァルキリー!?」
アテナは緑色の髪をなびかせてヴァルキリーの肩に手を置く。その光景を見るだけでも、信頼関係を見て取れる。
ヴァルキリー「確かに軽減、バインド対策など欲しいところですが、ここまでくるともういっそ攻撃的にしきってもよさそうですよね」
ミューズ「……………」
突如、酒場に澄みきった声が響く。
呼ばれたのはヴァルキリーだけなのだが、なぜか4人とも振り向く。
ヴァルキリー「アテナさん!!」
サクヤ「アテナ…?」
ヴァルキリー「私が前にお世話になったパーティのリーダーです!」
アテナ「久しぶりですね、元気にしてますか?」
アテナがサクヤとエキドナに注目する。
サクヤ「この度ヴァルキリーさんを雇うことになったサクヤです」
エキドナ「ヴァルキリーの仲間になる予定のエキドナでーす」
ミューズ「同じく、ミューズです」アテナ「アテナです。よろしく」
アテナ「ん?ヴァルキリー、あなたラーパーティに入ったのでは?」
痛いところを突かれてヴァルキリーは肩をすくめる。
ヴァルキリーは自分がラーの下を離れる決断をした理由をアテナに説明する。
アテナ「そうでしたか。サクヤさん、ヴァルキリーを拾っていただきありがとうございました」
全てを聞いたアテナは、サクヤに向けて礼をした。
サクヤ「いえいえ、私もパーティのメンバーを探していたので」
エキドナ「うちらもラーには因縁あるんだ、いわば被害者の会みたいなもんだ。…コイツを除いては、な」
言うと同時にエキドナがミューズを睨みつける。
鎧に隠れたミューズの表情は読めない。
アテナ「被害者の会…サクヤさん、そのパーティ、私も入れて欲しい!」
ヴァルキリー「え!?アテナさんもラーに何か因縁が?」
アテナ「かつての仲間がひどい目に合わされたんです、関係ないでは済ませられません!」
アテナはそう言い張った。見かけからもわかるが、義理堅い神である。
ヴァルキリー「アテナさん……!」
エキドナ「やったじゃんサクヤ!パーティメンバー揃ったよ!」
サクヤ「よかった、集まるものだねー」
アテナ「ヴァルキリーが不当な扱いを受けないよう、サクヤさんを監視する目的もありますが……」
サクヤ「どのような形でも構わない!ありがとうございます、アテナさん!」
ヴァルキリー「アテナさんのスキルはドロップ強化ですよね?」
アテナ「はい。光と木ドロップです」
サクヤ「ドロップ強化なら覚醒スキルとして私も持ってます」
アテナ「火力の底上げが効きそうですね」
ミューズ(パーティメンバーが揃ったか…)
ミューズ(アテナといえば神タイプトップクラスの攻撃力、そこにサクヤのリーダースキルと私のエンハンスが加われば、面白いことになりそうだな……)
エキドナ「じゃあ早速行くダンジョン決めようか?」
アテナ「どこがいいですかね?」
ヴァルキリー「連携をとるためにも一旦簡単なところを…」
ミューズ「星空の神域」
一同「……は?」
ミューズ「我々の火力ならゼウスとも充分闘える」
エキドナ「あんた話聞いてた?」
ヴァルキリー「無茶です、初挑戦がゼウスなんて…!!」
ミューズ「アテナさんがいれば」
アテナ「……私?」
サクヤ「……」
サクヤ「わかった、ラーパーティに長く身を置いたミューズさんの判断をここは信用します」
ミューズ「ありがとうございます…」
ミューズは頭を下げる。
エキドナ「マジかよ……」
こうして一同は、半ば不安も持ちながら星空の神域へと出発した。
次回「堅実主義と現実主義」


