世界の破壊と創造・生殖を司る最高神 シヴァ | エコ吉のブログ

世界の破壊と創造・生殖を司る最高神 シヴァ


ヒマラヤの聖地カイラース山。
この山頂で苦行をしているのが、三神一体のひとり、破壊の最高神シヴァである。
鋭く屹立するカイラースの山の山容は、祈りの対象となるリンガ(男根)にふさわしい。
同時に、宇宙的根源力を感じさせる強い神秘性さえ漂わせている。
このときのシヴァは、青白い裸体に虎の皮を腰にまとい、首に蛇を巻きつけ、伸ばした髪を
頭上に結び上げた苦行者の姿で描かれる。
額には3本の横線が引かれ、手には三叉の武器リシュールを持つ。
シヴァとは「吉祥」を意味するが、この神はヒンドゥーの神々のなかでも最多の別名を持つ。
なかでも有名なものに、バイラヴァ(恐怖の殺戮者)、マハーデーヴァ(偉大なる神)
パシュパディ(家畜の王)、シャンカラ(恩恵を与える者)などがあるが、このシャンカラの名が
生産や生殖を司る神とされたので、リンガへの崇拝が生まれたのである。
ナタラージャ(踊りの王)などの名もあり、広い神格を与えられているのも特徴だ。
シヴァにまつわる神話をいくつか紹介しよう。

「世界周期の終わりのとき、ブラフマーとヴィシュヌが、ともに自らを、"世界の創造主"と称して
争っていたとき、巨大な火炎を放ったリンガが襲来した。ふたりがその偉大さを認めて賛歌を
唱えると千の手と千の足をもつシヴァが出現した」「あるとき偉大なバギラータ王が、6万人の先祖の
王子を供養するために苦行をした。それを知ったブラフマーは、聖なる天の川ガンジスを
地上に流す許可を与えた。だが、地上に直接流すと、かなりの衝撃が予想される。
シヴァに祈ると、神は自らの豊かな髪でそれを受け止めることを約束した。こうしてガンジスの
奔流はシヴァの髪で弱められ、7つの支流となって、大陸を流れはじめた。これによって多くの人や
生き物が潤い、樹木や草原までもが恩恵を受けたのである」
「巨人魔族の3人の魔王が三界を征服して都をたて、圧政を行った。
神々はこれを打ち破るのはシヴァのみだと知った。シヴァは願いを受けたが
『私の力だけでは無理だ。すべての神々の力を半分貸して欲しい』という。
神々はこれを承諾した。そしてブラフマーは戦車の御者ヴィシュヌは矢に変身
魔王は3つの都を合体させて城砦としたが、満身の力を込めたシヴァの矢は
これを一撃のもとに貫いてしまった」

最初の神話が天地創造に関する偉大さ、次が果てしなく与えられる恩恵の多さ、最後が
どんな難敵も撃破する強さを示している。
なお、シヴァは仏教にも取り入れられていて、「大自在天」などの名が与えられたが
仏教世界を守護するだけで、強い信仰対象にはならなかった。

インド神話では絶大な人気を誇るシヴァです。
破壊と創造、よく漫画やアニメに出てきますが、ルーツはここからきていたんですね。


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