クーラーをがんがんにかけた部屋でくつろいでいて、ふと外の空気でも吸おうと思い、ベランダに出た。


手すりに肘をついて、ボーっと景色を眺めようと思ったら、足元にある室外機から噴き出される熱風がふくらはぎに当たった。


「熱っ・・。」


意表を突かれてしまった。


・・・こんなに熱い空気をこの部屋は外に向けて、しかもこんな勢いよく大量に放出していたのか。。。


もともとそんなことくらい知らなかったわけじゃないけど。


部屋の中はこんなにも涼しくて快適。


でも、それと引き換えに、外には行き場のなくなった、本来この部屋にいた熱がはじき出されてる。


その熱は消えてなくなるわけじゃないから、少しだけ外の温度を上げる。


んー。なんだかな・・・。大げさだけど、社会の構造と似てるな。


多少何かを他に押しつけることになろうと関係ない、自分の欲求を優先する。


まあ、そこまでの悪意はなくても、クーラーくらい使いたいしね。


他のみんなも使ってるし。


・・・というところもよく似てる。


悪人なんて全体の人数からいったらそんなに多くない。


だけど、恐らく世界は、もっともっとタチの悪い、法律で罰せられるほどじゃない圧倒的大多数の「そこそこ善良」なみなさんの手によって、少しずつ、少しずつ、おかしな方向に滑り落ちていってる気がする。