「イシコロモノローグ」



僕はこんなだだっ広い河原の傍らで一体何をしているのだろう。





長かった旅路はあんなに個性的だった体中のカドをすっかり取り去り、他の奴らと我が身を凌ぎ合うことも少なくなってしまった。僕を運んできたあの激しい水の流れも、いつのまにかとても緩やかなものになっている。




                やれやれ。



いつか嵐がやって来てこの河原が濁流に飲み込まれてしまえばいいのに。笑われるかもしれないけれど、こんな事が今の僕にとってはとても切実な願いなのだ。荒れ狂った濁流はきっと、僕を遥か遠くのもっと素晴らしい世界へ連れて行ってくれるはず。だからこうやって毎日同じ景色を眺めながらでも待っていられるのだ。





そのうち僕は海に辿り着くだろう。そして今よりもずっとスリムになった僕は、光の届かない深い海の底で次の機会をただひたすら待つのだ。何千年あとか、何万年あとか、それは分からない。偉大な地球の力はいつの日か僕を天高く突き上げるだろう。それは新たなる出発を意味している。



               リセットだ。



つまりはもう一度あの長い旅を初めからやり直すチャンスを与えられるのだ。




僕はこんなだだっ広い河原の傍らで一体何をしているのだろう。






リセットといっても、次の旅ではもう既に私は今の自分ではなくなっているのに。