電車で帰宅中のことです。
僕は座っていました。
隣には高校生が座っていました。
仮にA氏と名付けさせて頂きます。
A氏は眠くて仕方なかったのでしょう。
物凄いうつらうつらしています。
完全に嫌な予感です。
案の定、2~3分後には僕にもたれかかってきたんですよ。
いや、気持ちは分かるんですよ。
僕にも経験ありますし。
もう眠くて眠くて仕方ないとき。
それでも頑張って起きようとして、逆に頭ぐらんぐらんなるとき。
気付いたら物凄いもたれちゃってるとき。
だから、仕方ないと思いますけど、これ普通もたれられてる側はどうします?
大抵の場合、さりげなく動いて、もたれちゃってますよ的なアピールしませんか?
たまにそのまま寝かしつけてくれるジェントルメンや、親の仇のように舌打ちしながら肩をぶつけてくる非ジェントルメンがいますが。
僕は基本さりげないアピール派です。
ですから、したんですよ。
さりげなく、さりげないアピールを。
勿論A氏は気付いて姿勢を正してくれます。
だが、30秒と経たないうちに、またもたれてきます。
ちょっと様子見してみます。
うん、起きそうにない。
僕、さりげないアピールです。
A氏、姿勢を正してくれます。
それも束の間、A氏、もたれてきます。
僕、さりげないアピールです。
A氏、姿勢を正してくれます。
A氏、もたれてきます。
僕、さりげないアピールです。
繰り返しです。
どうやらA氏はずっと寝ているみたいです。
姿勢を正すのも無意識みたいです。
だからまたすぐもたれてくる。
うーん、どうしよう。
A氏を起こす勇気はない。
だが、この終わりの見えない繰り返しはもうイヤだ。
ここは、逆にジェントルメンとして肩を貸してみよう。
逆に起きるかもしれない。
1分経過・・・。
5分経過・・・。
全然起きない。
僕、とても眠かったんです。
でも、もたれられてるせいで、眠れなくなったし、たまにA氏の髪が僕に触れそうで触れなそうで、うわぁぁぁってなるし、なんかちょっとイライラしてきました。
そもそもなんで肩貸してるんだろう、と。
ちょっとイライラしてきました。
もうA氏になんか肩貸してやんない。
こっちも眠いんだ。
思い切って、貸している肩を外してみました。
A氏、『かくん』ってなりました。
どうしよう。
ちょっと面白い。
『かくん』となったにも関わらず、ちょっとしたらA氏はまたもたれてきます。
でもね、もう、イライラしないですよ。
逆に、いつ『かくん』ってさせちゃおうか、ワクワクです。
完全に心の狭い、嫌な奴です。
でも、それくらい僕も追い詰められてたんです。
だから、許してください。
そうこうしてるうちに、A氏も熟睡したようです。
そろそろ、また『かくん』ってさせてやろうかな~、なんて思ってました。
自分の中で、タイミングを見計らっています。
よし、今だ。
今が『かくん』タイムだ。
と、思ったときですよ。
A氏、突然の反撃です。
A氏、全身を使い、『びくん』っとしました。
僕、完全に驚きました。
よく居眠りしていると、なんか落ちていく感覚分かりますか?
そういうときって、体が『びくん』ってなりません?
よく机に突っ伏して寝ているとなる、アレです。
A氏、このタイミングで、『びくん』です。
もうね、やっぱり悪いことはしちゃいけない。
A氏の『びくん』により、僕も驚きの『びくん』ですよ。
ダブル『びくん』ですよ。
完全に恥ずかしいですよ。
そそくさと、電車降りましたよ。
教訓ですね。
悪いこととか、悪い気持ちの行動って、思わぬ形で自分に返ってきますね。
人のふり見て我がふり直せですね。
二兎を追うものは一兎をも得ずですね。
なんだかよく分かりませんね。
全然関係ありませんね。
とにかく、寝られる前に寝てしまえですね。
違います!!!
細かいこと気にせず、気楽にいけばいいんですよね。
今日のことも気にしなきゃいいんだ。
寝て、忘れてしまいます。
そうします。
うん、おやすみなさい。