最近はやたらと不良がケンカして強引に友情を描くような作品が多いが、正直、短絡的に思えてならない、自分が小学生の時に北斗の拳に感動していたような脳のレベルしかなくってしまったのかと、ちょっと嘆いてしまうところがあるが、時代的に嘘偽りのないガチンコ勝負で、真剣に闘う男子というものに作る側も見る側も憬れているんだと思う、アメリカだと冷戦時代にランボーがヒットしていたのに似てたりするんじゃないかと思うが、その時代の人間のフラストレーションのはけ口が映画となって登場してくるのだと思う。
でも、なんでみんな高校生のケンカものばかりなんだ?自分が小学生の頃にビーパッブハイスクール、湘南爆走族とかあったがちっともカッコいいと思えなかった、不良には未熟者であるという限界があるのをなんとなく知っていたので、ただのケンカはちっとも面白いと思えなかった、実際に自分の育った多摩の西のエリアは在日の人達の学校と米軍のガキ共のいる不良の三巴エリアで、朝鮮、米軍、日本のチンピラ、地元ヤクザのいざこざだらけで、タブーがたくさんあった、そして渋谷がカラーギャング、チーマーの登場で更に都内全域が4年間くらい死者まで出る大不良ブームだった、スジ者などほとんどいず、仁侠者になる度胸もない、中途半端な不良がほとんどで、ある時期を過ぎればみんな普通に社会人になるという限界が常にあるかっこ悪い迷惑者がほとんどだった。
しかし、高校の時に出会った空手部の先輩にホンモノがいた、先輩は後輩の面倒見がよく、普段は温厚で紳士なのだが、ある日、自分と二人だけで帰宅する道でセブンイレブンでおごってもらいぶらぶらしていたら、先輩の先輩らしきシンナーでおかしくなったようなゴツいヤクザ者3人にからまれ、自分はびびったが、先輩は毅然と対応して、ヤクザ者が手を上げたとたんに突然先輩がキレて3人のヤクザ者相手に人気のない某大学の入口の前で全員ボコボコにしたあげく、組に謝り自ら出向いて行った。
なんで温厚な先輩がヤクザ知ってんのと見る目が変わってしまった、そのことはなかったことにしてくれと二人だけの秘密にされ、次第に先輩の武勇伝も忘れかけた一年後、先輩の友人が死んだと先輩が落ち込んでいたところに、つい交通事故か病気でですか…と聞いてしまったら、酔ったヤクザにロシアンルーレットを強要されて先輩の友人が死んだと聞き、更にブルーになった、新聞を見返したらちゃんと19歳の少年がプールバーでヤクザとロシアンルーレットをして負けて病院に運ばれたが死亡とあり、しばらくショックだった…聞くと19歳の彼も組員だったそうで、警察もマスコミもあまり騒がなかった。
なんかシンプルな話ではあるが当時は命かけて意地を張る人がすぐ近くにいるようなリアリティが多分にあり、命懸けとはどういうことかぼうっと日々考えているうちに、三島由紀夫の盾の会のメンバーだった右翼の親切なおじさんの話を聞く場に知り合いと大学生と嘘をつき出向き、酒を飲んで朝まで語り、国の為に死んでいった太平洋戦争の日本兵の話から全共闘や赤軍の話や危ないぴーという話を聞き、大事な受験期にはチンピラのど根性を通り超して武士道の方へいってしまった気がする。多感な時期に都内で育ち多少冒険すると刺激があり過ぎて、いいのか悪いのかわからないことになる。
態度が悪いだけ、威圧的なだけ、気にいらない奴がいたら暴力を振い、自己表現を爆発させているような連中にはまったく何も感じなくなり、ただ未熟でダサいだけとしか感じなくなってしまった、好きだった格闘技にも意味を感じなくなり、空手部と兼部して自分が盛り上げていた映画研究部なる街中に撮影と称して繰り広げる犯罪組織に身を染めていった…
それからはとにかく危険分子になる、刃物を集め、武器という武器が美しく見えてやたら武装することに魅力を感じていた、もれなく息の合う友人と街のチンピラ共を撃退すると決めて、殺傷してしまうのはよくわかっていたので武器なしでやたら闘いを挑んだりもした、不気味なのは髪も染めず学ラン、ボンタンも着ず、紺ブレでウロウロし、勝手に正義の為に街の悪と闘うと右翼と軍人を足して2で割ったような将来福祉関係に進みたいというボクシングをやる友人と二人で新宿から渋谷まで街の悪を撃退すべく自警団を結成し、電車の中では痴漢を街中では弱者を狙ったカツアゲを全て一掃すべく自主練と称して二人で公園や学校の屋上で空手部、柔道部の後輩を集めファイトクラブのように本気で殴りあいながら鍛えて備えたのだが、半年間敵は現れなかった、その代わりどんどん可愛いかった顔から二人とも人相が悪くなり、通販で二人で買ったプロテインのせいで身体が巨大化し、ミイラ取りがミイラになるごとく自分たちがワル面になり、終いには歌舞伎町でヤクザのおじさんにスカウトされ、ヤクザのスカウトと気付かず半日ゲーセンから覗き部屋まで招待され、事務所に連れて
いかれて始めて親切なおじさんがヤクザだと気付き、すきを見て二人で逃げ出したのが二人だけの自警団の最後になった。その後は尾崎豊も死に、盗んだバイクで走り出す奴もいなくなり、平穏な日々が続き早稲田予備校に通い、猪木に壇上で殴られ、ただの受験生に成り下がった…
なので、僕は不良なんぞちっともカッコいいと思わない。思えない。最低ランクの自己表現としか感じない。美化しようがない。
意味わかんないクラスに話は脱線しまくりだが、半分自伝ような「アウトサイダー」みたいな大人の視点からの不良のケンカものは作ってみたいが、今流行の不良が闘って燃え尽きる?だからなんだ、小競り合いやってないで命懸けて死ねよ!ゆとり教育世代が~とささやかに思ってしまう。
相手に怒りを爆発させてぶつかるより自分の中の敵との闘いに気付くような侍がいないのかと思う、不良ものでも、ただ単により強い敵を倒すだけの低能RPG型コミックものでなく、闘い続けて失敗し、奈落からどう這い上がるのか、そういう過程を描いたものをやればいいのに不良カッコいいなんて、不良も知らないから勝手に美化してるだけであって、そんなに闘いたいなら、戦に出るべくフランス外人部隊に入隊して、肉片の飛び散る中、死ねか生きるか必死になるのが本筋だろう。
不良まで青春だと甲子園に出るみたいに美しく描いたら不良をナメている、不良描くなら無様な部分を描かないと嘘八百。虚仮にしてるのもいいところ。知らないからできる嘘。そういうファッショナブルな不良ものはいらないゴミだね。