「おくりびと」「おくりびと」とやたらとメディアは宣伝するが… | 遠藤一平のブログ

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率直に思ったことを適当に綴ってます。極私的散文

「おくりびと」がやたらもてはやされて邦画界にとってはいいのだが、なんか短絡的な気がする…パッとしないニュースが続く中にアカデミー外国語映画賞取ったからか、けっこうたくさん報道されたように感じる、日本映画が何か海外で賞取ったらいつもああならいいのに…
あの映画は正直滝田監督の力による演出力の賜物の映画ではない。
明らかにあの映画の企画を何年も温め続けてきた役者、本木雅弘の情熱の賜物だ、正直、おくりびとには演出力の素晴らしさを感じて感銘を受けたということはなかった。画もしっくり来ないし、演技も役者の技量に委ねたような部分もあり、音楽ももう少し力があってよかった気がする、泣ける映画というより家族を思い出す映画だった。見る者に自分の身近な何かを想起させるような世界が画面の中に確立されている映画がいい映画なのだろう、そういう観点からいうと小津監督の「東京物語」は傑作なのだろう。
それにしても「おくりびと」の印象は明らかに本木雅弘の作品を理解した上での芝居だった。
滝田監督は「コミック雑誌なんかいらない」と「ぼくらはみんな生きている」ぐらいがよくて、あとは大作が多くても大作のダイナミックさに欠けて駄目だな。普通の職人監督…
一言で言うと安定はしているが悪いベテラン臭がプンプンする。
団塊の世代とそろそろ定年退職するくらいの層が安心して見ていられる映画…みたいな…
お正月特番的なドラマはいちいち映画館では見たくないよな…
みんなどうせ話題の確認で映画を見に行くわけだから自分の嗅覚では映画を見ていない。
とりあえず僕は去年見た映画の中でも「おくりびと」は悪くはなかったが、すごくいい映画ではなかった。
アカデミー外国語映画賞といったら例えば「ニューシネマパラダイス」や「ライフイズビューティフル」なんかと同じ賞なのだが、世界中の人達に投げ掛けるには今一つ何かが足りない気がする。
映像と音楽、そのようなものがイマイチであった気がする。観客はしみじみもときめきもあまりなかったのではないかと思う、ただ死は誰もが未経験のもので、誰にも必ず来る未来の出来事なので興味がないわけがない。死体という以上でも以下でもない確たる死の象徴が目の前にあるだけで、そこに一気に見る人間の様々な思いが一瞬にして集約されるように思う。葬儀がそうであるように…そのオブジェクトの使い方が「おくりびと」はよかった気がする。
力みがとれた良さ、がよかった映画、というのが感想か…
今村昌平「うなぎ」北野武「HANABI」、大嫌いな川瀬直美なんかが日本映画の最高峰と思われているのだろうか?
海外から見ると日本はそうとう都会的でなく野蛮でオフビートな国に思われてるんだろうなぁ…その方が成熟してていいのかもしれないけど…