毎回自分の映画で無口でクールな人ばかりお願いする高原知秀氏の舞台を見に行った、高原さんの熱演に思わず泣けた、涙はでなかったが舞台で泣けてしまった。熱い人間をやらせたらあの顔つきとにじみ出るオーラで迫ってこられる役者は日本ではなかなかいないのではないかと思えた。
正直いつも高原さんには申し訳ないが辛口評論ばかりしていたが、今回の舞台はやられた。
収まるべくところに収まれば非常に引き立つ逸材な役者さんなのに何故か昔から特撮ヒーローものやチンピラヤクザ系Vシネマが多い、本人は口数少ない物腰の軟らかい人なのでどんな仕事もやる人だが、実は誰よりもやりたい役とやりたくない役にはうるさい人だと思う。まことに納得してやるかやらないかで芝居の気合いの入れ方が自然と変ってくる人で納得してやった役は哀愁や動き方が一品だ。なんでこんな台詞を言わないとならないんだと疑問符があると何かギクシャクした感じが正直に出るという、バカ正直な真面目な役者さんだ。ある種キャラクターアクターだ。
高原さんは内に秘めたものがたくさんある人で、役について考えてもらう時間と役の人間になる為の実際の動きなど交えた役作りの時間があれば現場でこちらが望む以上の動きをしてくれる。
日本は役者さんの為の役作りの時間をあまり作らないので現場での役者さんの直感に頼ることが多々あるが、ただの物真似がうまいだけの役者さんが評価されがちだが、その人物にあらゆる解釈と経験を生かしてなりきるという役者さんが少ない。その点、高原さんは役作りの時間があれば自分の身体を酷使してその人間になってくる役者さんだ。
そういう人達とたくさんいい仕事をしていきたい。