つい最近まで、精神医療被害者は無力でした。精神医療従事者にどれだけひどい犯罪行為をされたとしても、どれだけひどい副作用の被害に遭おうとも、被害者は声を上げることができませんでした。

いえ、正確に表現すると声を上げる人は大勢いたでしょう。しかし、その声は周囲に届きませんでした。声を上げること自体が被害妄想であり、精神病を患っている証拠だとする、究極の言論封殺の仕組みがあったからです。

身の覚えのない罪に問われ、主張は一切聞き入れられず、一切の社会的信用も失い、不当に刑を処されるという冤罪ほどこの世の中で残酷なものはないでしょう。声を上げても誰にも理解されず、どんどん孤立していく精神医療被害者には、この冤罪被害者と同様の精神的苦痛に加え、不当な治療という肉体的苦痛まで上乗せされてきたのです。心が折れるのは時間の問題で、このようにして今まで声がかき消されてきたのです。

しかし、ネットの発達により状況は一変しました。隠されてきた情報や声が伝わるようになってきました。以前は自分の飲んでいる薬の正確な副作用情報すら調べる手段がなく、一般人には医薬品添付文書を手に入れることすら困難でした。ところが、今やネットで全て調べることができます。

そして、重要なことは情報を共有できるということです。向精神薬の副作用で苦しむ人、身近な人が治療を受けてどんどん悪化している様子を見ている人、主治医の態度に疑問を持った人・・・。かつては点に過ぎなかったそれぞれの体験が相互につながり、共有され、一つの「現実性」のコロニーが形成されるようになってきました。

そして、人々の声が集まり、その一部がマスコミや行政、議員らに伝わることで、ようやく精神医療のあり方に疑問をぶつける大きな潮流が生まれ始めました。ここまでがここ10年くらいの流れです。

ここから必要なことは、その現実性を一気に高め、「真実」へと引き上げることです。体験した当事者にとってはまぎれもない真実ですが、それだけでは大衆にとっての真実ではありません。声が多ければ多いほど、具体性があればあるほど、それは多くの人々にとっての真実となります。

しかし、個々にバラバラに声を上げても効果は薄いでしょう。また、声が上がっても適切な所に伝わらなければ意味がありません。逆に、うまくやれば歴史を動かすことも可能です。その実例を英国に見ることができます。
http://www.yakugai.gr.jp/bulletin/rep.php?id=211

日本でも、ようやくそのような動きが出てきました。精神医療被害連絡会のHPに、「精神医療被害掲示板」が作られましたが、その中で管理人がこのように呼びかけています。
http://seishiniryohigai.bbs.fc2.com/


薬の副作用被害報告板 - 管理人

2011/07/24 (Sun) 04:08:45

薬による副作用被害の報告をお願いします。

英国では、ネットに集まる異常な数の副作用被害報告から、マスコミが動き、特集番組が組まれました。
その番組の反響の大きさから、何度も追跡番組が組まれ、薬に対する正しい認識が社会に広がりました。

薬の副作用について報告下さい。

数が集まれば、まとめて、厚生労働省に陳情に行ってきます。



素晴らしいことです。これで声が適切なところに届けられるルートは確約されました。あとは声を集めるだけです。

声が数件だけだと、特異な事例であり、単なる誤差の範囲内とされてしまうでしょう。数十件集まれば、ある程度の世間の関心を引くでしょう。数百件となれば、マスコミも食い付くでしょう。千件を超えると、国も無視できなくなるでしょう。数万件になったらやっと精神医学会も認めるかもしれません。

このブログをご覧になっている方で被害に遭われた方、是非掲示板を利用し、声を上げて下さい。そして、同様の声がどんどん集まるよう、多くの方々に呼びかけて下さい。歴史を動かしましょう。