地球全体が赤道付近も含めてすべて凍りついた「全地球凍結」。雪玉に見えることから「スノーボールアース」と呼ばれる状況が、過去、何回か地球で起こったという説があります。
「人類滅亡大全」でも過去に起こった絶滅の章で紹介した仮説ですが、これを証明するには、当時の赤道付近にあった土地で氷河の痕跡を探すことが必要です。
昨日ブログでは恐竜絶滅が小惑星激突によるものだという説がほぼ確定されるような調査結果が発表されたことを取り上げましたが、今日はそれに続いて全地球凍結の裏付け。
何やら重大な発表が続いていますね。
報道によれば、7億1600万年前に起こったとされる全地球凍結の証拠として、当時は赤道付近にあったカナダの地層から、氷河堆積物に挟まれるかたちで火山岩を発見。
分析から年代が全地球凍結時と一致した、ということです。
7億1600万年前は恐竜はおろか、植物さえ地上に上陸していなかった頃です。
全地球凍結で生物は・・・バクテリア・・・などは地表ではなく、地熱を求めて地下や深海の熱水噴出口などでコロニーを作って生きのびていました。
記事では、「スノーボールアース」というより、火山灰などで汚れた泥玉のようだったという意見もあります。
火山活動の活発化が、全地球凍結を終わらせていったという説もありますから、これは確かにそうかもしれませんね。
温暖化が本当なら、しばらくはそんな事態に見舞われないでしょうが、地球は、地質年代的スケールで言えばついこの間まで温暖と寒冷の極端な間を行ったり来たりしていたことは忘れてはいけないでしょう。
人間をはじめ、現在繁栄している生物はすべて、その狭間で生きながらえているにすぎません。
環境が激変すれば1000年と持たずに死滅するでしょう。そして、別の生物がまた栄えるのです。
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赤道に氷の証拠、全地球凍結説を裏付け
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March 5, 2010
現在の地球の赤道は高温多湿だが、7億1600万年前には氷で覆われていたという新たな研究が発表された。太古の地球に関する「スノーボールアース(全地球凍結)」説を裏付ける確かな証拠が1つ加わったことになる。
今回の発見の決め手となったのは、しかるべき時期に、しかるべき場所で、しかるべき岩石が氷河の下にあったことが証明されたことである。
ハーバード大学の地球科学者フランシス・マクドナルド氏が率いる研究チームは、カナダ
で氷河堆積物に挟まれる形で見つかった火山岩を分析した。堆積物が氷河によるものであることは、氷河が融けた後に残る岩屑(がんせつ)や、氷河が動く際に変形した堆積物が存在することで判断できる。
ウラン・鉛法による超高精度の質量分析を行った結果、この火山岩と氷河堆積物がいずれも全地球凍結時代とされる約7億1650万年前に堆積したものと判定された。この結果は、カナダ
が赤道付近にあった時代にこの岩石が生成されたという過去の磁気分析と一致した。長い時間をかけて地球の大陸プレート
が動いて岩石を北に押しやり、現在のカナダのユーコン準州やノースウエスト準州の位置にまで運んだのである。
スターティアン氷期とも呼ばれる全地球凍結には多くの謎が残されているとマクドナルド氏は話す。例えば、赤道が氷で覆われていたというだけでは地球上をどの程度の氷が覆っていたのかを測り知ることはできない。大陸全体が氷の奥深くに埋まっていたのかもしれないし、移動し続ける氷河や氷山の寄せ集めでしかなかったのかもしれないし、その中間かもしれない。
さらに、“スノーボールアース”という呼び方自体を考え直す必要もあるかもしれない。マクドナルド氏によると、「地球は氷に覆われた白い玉だったというよりは、泥団子に近かっただろう」という。頻繁に起こる火山の噴火で火山灰がまき散らされ、大陸は「ほこりだらけだったはずだ」。
7億年前にはまだ植物が進化していなかったため、ほこりにまみれて黒く汚れた氷の部分だけが地上で太陽光を吸収できる場所だったかもしれない。その結果、その部分の氷が早く融け、藻類や菌類などの原始生物が繁栄できる水域となった可能性がある。
スターティアン氷期に生き残った有機体があり、それが新しい種へと分化したとすれば、全地球凍結時代の地球には開水面や、少なくとも氷の割れ目があって、そこに生物が安全に生息していたという説の信憑性が増すとマクドナルド氏は指摘する。例えば現代の南極沖の氷の割れ目は単細胞生物で“すし詰め”だという。
過去の地球に存在した過酷な気象条件を研究すれば、現代の気候変動を研究する上で新たな展望がもたらされるかもしれない。
例えばマクドナルド氏によると、地球は何十億年もの間、氷に覆われた状態と温室のような状態を行き来してきたことがわかっている。不凍期で多くの恐竜が生存した白亜紀の地球は温室状態の時期にあった。「結局、地球は敏感なのだ。人間が取る小さな行動が地球の未来を左右するかもしれない」。
全地球凍結時代には、火山の噴火によって硫黄の粒子が大気中に拡散し、太陽光を遮断して地球が寒冷化したと考えられている。現在の地球温暖化に歯止めをかけるために同じ現象を人工的に起こそうと提案する専門家もいる。
「地球の歴史における“自然界での大実験”を分析することの重要さがここにある。小規模なコンピュータモデルよりも格段に多くの情報をもたらすからだ」。
この研究は2010年3月5日発行の「Science」誌に掲載されている。
Photograph courtesy Francis A. Macdonald
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