試合開始前から小雨が降ったり、止んだりの不安定な空模様の神宮球場。
気温は寒く、試合序盤は阪神もお寒い試合内容だった。
今季公式戦初観戦となったヤクルトとの一戦。
シーズンが始まる前から前評判が悪かったヤクルトに対して連敗で迎えた3戦目。
阪神先発は榎田。
前日の乱打戦での敗戦を受けてスタメンマスクを開幕試合以来の清水に代えて挑んだ。
阪神は前日同様に幸先良く2回に先制しながらその裏に榎田が1アウト1塁から8番ルーキー西浦、9番ピッチャー押元に連続四球でピンチを作り、簡単に3失点。この回途中で榎田は降板した。
2点のリードを守ろうと守りのピッチングになってしまっていたように見えた。
2番手急遽1軍合流となった渡辺も3回に掴まりリードを拡げられる厳しい試合展開。
試合の流れが変わり始めたのは6回2アウトからだった。
3番手筒井の代打で送られた田上の二塁打。この1打から流れが徐々に変わり始めた。
昨日の試合のキーポイントだったと思う、
7回に先頭上本の二塁打を含む5安打で3得点で1点差。
その裏に2点を還されて再びリードを拡げられたが、8回にまたも田上からマートンの3ランを含む6安打で6得点で逆転。9回にも4安打4得点でダメ押しとなった。終わってみれば20安打15得点。
マートンの4安打4打点、ゴメスの3安打4打点が数字上は光って見えるが昨日は若手の活躍、特に終盤に途中出場となった選手の活躍が阪神打線を活性化させた。
1番上本の3安打1四球で4出塁、2番大和の2安打1四球で3出塁、6回から代打出場の田上が2安打1四球で3出塁、8回から出場の坂が2安打と結果を残した。
終盤出場した若手の活躍が他の選手を刺激しカンフル剤となっていた。
改めて若手選手の秘めた底知れぬ力がチームにもたらす影響力、爆発力を感じた試合だった。
昨日の試合で守備固め、代打と決めつけられていたような坂、代走要因と捉えられていた田上もスタメンあるぞと思わせてくれる活躍だった。
9回には年俸1億5000万の福留を守備固めで使うというサプライズもあった。
活躍出来ない選手は誰であろうと厳しい立場になるという事を和田監督が示したとしたらこれから面白いチームになって行くと思う。
野手陣だけでなく、投壊が止まらない投手陣にも若手の活躍が必要不可欠だ。
もう一つ昨日の試合でキーポイントになったような場面があった。
8回裏加藤が2点を奪われた直後に加藤が悔しさを露にし、ロジンを思い切り地面に叩きつけた場面だった。あそこまで悔しがる加藤の姿を見たら誰もが取り返してやろうという気になっただろう。
悔しがったり、喜んだりと感情むき出しの熱い野球をこれからどんどんやっていってくれればもっともっと強いチームになって行く事だろう。