移動施設 | 宇宙製作所

宇宙製作所

さあ、街へ飛び出そう! きっと新しい発見があるでしょう。

その施設は、空の中にあります。巨大な鳥の形をした飛行機のようなもので、そこには多くのものが備わっています。飛行機が着陸するのに必要な滑走路もその一つです。それは雲を踏み固めて作ったもので、同時にこの施設の浮力の一端を担っています。両側に張り出した翼の内部は、訪れた人々がゆっくり休めるように個室が用意されています。そこで旅の疲れをとっていただこうという配慮から設置しました。もしその疲れが癒されたのなら、ぜひ施設の後方にある湖をご覧になっていただくことをお勧めします。ぐるりとその周りを森で囲んで風よけにはしていますが、それでも湖面は木々の間からもぐりこんでくる突風で波が荒く立っています。ところがそれはふしぎと不安感を煽るようなものではなく、むしろその波と波とがぶつかり合うようすを見ているうちに気持ちがしだいにやすらいでいく効果があるようなのです。これだけは設計の段階では予期しないことでした。我々はこれを単純に、移動施設と呼んでいます。空を飛んでいるというより、雲のように空をただよっているという表現の方がぴったりします。旅客機のように荒々しい爆音を立てないためか、辺りの鳥たちが羽を休めるために集まってきます。