(四)


「実はまだ痛いんですよ。」

苦笑い気味に僕が言えば、フロアからは心配の声が上がった。

「大丈夫ですよ。こんなんだけど、僕意外と怪我には強いんですよ。」

笑いながらそう言えば、隣でフジが嘘付けと言って笑う。

フロアからも笑い声が上がる。

「でもね、たまにこうやって怪我すると、生きてるなって実感するんですよ。」

僕の一言に、会場は一瞬にして真面目な雰囲気になった。

「もう曲行こう。」

何だか恥ずかしくなった僕が、苦笑いを零しながらそう言えば、また笑い声が上がった。

僕がギターを鳴らせば、会場からは歓声が上がる。

しばらくギターを鳴らした後に、息を吸い込んだ。



何回転んだっていいさ
擦り剥いた傷を
ちゃんと見るんだ
真紅の血が輝いて
「君は生きてる」と 教えてる
固いアスファルトの上に
雫になって落ちて
今まで どこをどうやって
歩いて来たのかを 教えてる

何回迷ったっていいさ
血の跡を辿り 戻ればいいさ
目標なんか 無くていいさ
気付けば 後から付いてくる
可能性という名の道が
幾つも伸びてるせいで
散々 迷いながら
どこへでも行けるんだ

大事なモンは 幾つもあった
なんか 随分 減っちゃったけど

ひとつだけ ひとつだけ
その腕で ギュッと抱えて離すな
血が叫び教えてる
「君は生きてる」という
言葉だけは

一体どれくらいの間
助けを呼ぶ声を 無視してんだ
その背中に貼り付いた
泣き声の主を 探すんだ
前ばかり見てるから
なかなか気付かないんだ
置いて行かないでくれって
泣いて すがる様な SOS

聴いた事ある 懐かしい声
なんか随分 大切な声

ひとつずつ ひとつずつ
何かを落っことして
ここまで来た
ひとつずつ 拾うタメ
道を引き返すのは
間違いじゃない

やっと会えた
君は誰だい?
あぁ そういえば
君は僕だ
大嫌いな
弱い僕を
ずっと前に
ここで置きざりにしたんだ

何回転んだっていいさ
何回迷ったっていいさ
大事なモンは 幾つも無いさ

後にも先にも
ひとつだけ ひとつだけ
その腕で ギュッと 抱えて離すな
世の中に ひとつだけ
かけがえのない 生きてる自分
弱い部分 強い部分
その実 両方が
かけがえのない自分
誰よりも 何よりも
それをまず ギュッと強く
抱きしめてくれ

上手に唄えなくていいさ
いつか旅に出るその時は
迷わずこの唄を
リュックに詰めて行ってくれ


ダイヤモンド/BUMP OF CHICKEN


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ダイヤモンド聴いてたら、カナデくんが自転車で坂道を転ぶシーンが思い浮かんで出来た話。笑←