「ドリーマーズ・ハイ」

(みらいいろ:記憶回路)


(十五)

五月に入り、大型連休が始まったある日。

俺は地元を歩き回った。

ヨウと出会った駅前。

みんなと遊んだ公園。

あれから十年近くの年月が流れていた。

この町は、何も変わっていない。

変わった事、変わらなかった事。

そんな事を繰り返しながら、俺は今日に辿り着いた。

ふと俺は足を止めた。

目の前には、みんなが通っていたという中学校があった。

その校門の前。

一人の男が立っていた。

夜の闇のように真っ黒な髪。

思わず俺は声をかけた。

そいつが振り返る。

驚いた顔を向けた。

「久しぶりだな。」

俺はカナデに笑いかけた。