「ドリーマーズ・ハイ」

(みらいいろ:記憶回路)


(十四)

冷たい風が頬を撫でる。

白い息を一つ吐き出すと、俺は花束を片手に歩き出した。

年が明けて最初の休日。

俺は初めてヨウの墓参りに行った。

墓石の前に立つと、何も言えなかった。

ただ黙って、手を合わせた。

相変わらず、喪失感は残ったままだ。

それでも、少しずつでも前を向こうと思えた。

今回の墓参りは、その一歩だった。

たまに、みんなから連絡が来る。

ただ、カナデからは来ていない。

連絡をしようにも、音信不通になっていた。

心配だし、不安だった。

でも、たぶん大丈夫だ。

一人じゃないから。

カナデはきっと一人だと思ってるだろう。

でも俺は、何かあった時には、必ず助けてやろうと思っていた。

みんなも同じだと思う。

空を見上げた。

一月の空は、綺麗に晴れ渡っていた。