(一)


「夢の島ってあると思う?」

突然、リュウがそんな事を言い出した。

フジの家に集まって、それぞれ好き勝手やっていた僕らは、その一言に、当然ぽかんとしてしまった。

「お前、いきなり何言い出すんだよ。」

フジが苦笑い混じりに問いかける。

「ほんと、お前って、突然訳分かんねぇ事言い出すよな。」

フジと同じように苦笑いをこぼしながら、タケも言った。

「だって気になったんだもん。」

笑われた事にむくれたリュウが、拗ねながらそう言った。

その子供みたいな仕草と言いように、僕は思わず吹き出した。

「何か、リュウらしい。」

「笑わないでよ。」

まだむくれているリュウが、少し決まり悪そうに言った。

「リュウはあると思うの?」

笑いながらヒロが問いかけた。

「え? うーん。分かんないや。」

開き直ったように、そうリュウは言った。

その一言に、僕らは一斉に笑い出した。

「だから笑わないでよ。」

再び決まり悪そうな顔になりながら、リュウが反論してきた。

笑いの収まらない僕は、ふと窓の外に目をやった。

「あ、虹だ。」

「え? どれ?」

僕の一言に、リュウがベランダに駆け寄る。

「ほんとだ。」

リュウの後に続いたフジが声を上げる。

オレンジ色に染まった空に、虹が一筋架かっていた。

「綺麗だな。」

ヒロが呟くように言った。