「monophobia」

(みらいいろ:記憶回路)


(十)

数日後、僕らは久々に、スタジオで顔を合わせた。

既にタケは、うっすらと日に焼けていた。

カナデは相変わらず白い。

フジとヒロも相変わらずだった。

日常は退屈で、本当に糞みたいだけど、みんなと会えるこの時だけは、楽しいと思えた。

本当に、たちが悪いと思うよ。

しがみつく価値すら無い世界なのに、みんなには救われる。

未来に対する希望とか、そういったものに期待してもいいかなって思ってしまう。

どうせまた裏切られるだけなのに。

なのに、みんなの笑顔を見てると、それも悪くないって思ってしまう。

カナデと目が合った。

笑いかけてくる。

カナデは、本当に綺麗に笑う奴だ。

その笑顔が、僕は羨ましかった。