「monophobia」

(みらいいろ:記憶回路)


(八)

フジに会うのも久々だった。

思えば、ここ最近はスタジオに行ってない。

ヒロとタケに最後に会ったのは、いつだったっけ?

フジはいつもの淡々とした調子で、近況を話し始めた。

フジはカナデと同じ高校だ。

それが、今の僕には羨ましかった。

「お前はどうなんだ。」

一通り話し終えると、フジは僕に向き直った。

相変わらずだよと、僕は作り笑いで答えた。

「相変わらずじゃねぇだろ。」

フジが真剣な目で言った。

僕は内心焦った。

いやいや、何でもないよ。

僕は慌てて答えた。

「何でもねぇ奴が、そんな切羽詰まった顔するかよ。」

フジは僅かに声を荒げた。

「お前、やばい顔してんぞ。」

フジの視線に気圧された僕は、そのまま黙り込んだ。