「monophobia」

(みらいいろ:記憶回路)


(一)

目が覚めた。

カーテンの隙間から、朝日が漏れる。

また一日の始まりだった。

しばらくは起きる気になれず、僕は毛布にくるまった。

いっその事、サボってしまおうか。

そんな事を考えたけど、時間が迫ってくると、行かないとって急かす僕が現れ始めた。

やれやれと思いながら、僕は気怠い体を起こした。

カーテンを閉め切ったまま、登校の準備を始める。

高校に入学して、一年とちょっと。

特にこれといって、変わり映えのない毎日を過ごしてる。

朝起きて、学校に行って、帰ってきて寝る。

本当に、そんな感じ。

たまに、みんなとスタジオに行ったりするけど、高校に入ってからは、そんなに頻繁ではなくなった。

正直、退屈な毎日だった。

だからといって仕様がない。

面倒な気持ちを抑えつつ、僕は学校へと向かった。

屋上で座りながら柵にもたれ、空を見上げた。

青い空は、少しだけ高くなってきている。

午後の授業に出る気がなくなった僕は、屋上へと逃げてきた。

ここに来たからと言って、別に何も無いけど。

中学の時だったら、カナデとフジが居た。

だけど、今は一人。

まぁでも、あの息が詰まりそうな教室で、退屈な授業を受けるよりは、だいぶましだった。

不意に風が吹き抜ける。

微かに、夏の匂いがした。